今回からカイエンの全モデルで、排気量拡大とともに直噴システムが搭載された。3.6リッターとなったV6は、290ps/385Nm(先代モデルから20ps/75Nm向上)にパワーアップし、0-100km/h加速は8.1秒、最高速度は227km/hに達する(先代モデルはそれぞれ9.1秒、214km/h)。直噴化の効果は燃費面でも大きく、燃料消費率は8%〜15%も向上したという。
写真は先代カイエン。目元がシャープになり、フェンダーやパンパー形状が一新されて精悍さを強めた最新モデルと比べると、かわいらしくも見えてくる。最新モデルではデザイン変更と同時に空力特性にもメスが入り、全モデルでCd値が0.35に向上したのもトピック。写真:小林俊樹
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好調ポルシェの立役者が大幅改良
常々、「カイエンは、V6あってこそのクルマだよな」と思っていた。確かにポルシェのブランド性を考えれば主役としてはV8が相応しいだろうし、さらにその上にV8ターボを置くという、パフォーマンスの追求に対する途方のなさこそポルシェのポルシェたる所以…そんな風にも思える。 だがその実、カイエンが好調なのは紛れもなくV6があってこそ。このV6モデルは、多様性とリーズナブルさというポルシェの新たな魅力を示し、スポーツカーフリーク以外の新規ユーザーを取り込むことにも成功した。それは90年代前半までの、911頼みの時代には考えられなかったこと。しかも、それによってブランドの価値が下がることもなかった。そう考えると、カイエンのV6はポルシェというブランドの影の立役者ともいえる。 その一方で、先代の3.2リッターV6はパフォーマンス的に物足りなかったと言わざるを得ない。兄弟車のトゥアレグより上の性能を与えてポルシェとしての威厳は保ったものの、2.3トンの巨体に250ps/31.6kg-mの組み合わせはポルシェの記号性である“速さ”には結びつかなかった。事実、先代トゥアレグでもV6はやや物足りないと思える部分があったから、出力が多少上とはいえ同じエンジンがポルシェに搭載されるとなると、物足りなさの度合いは増してしまう、というのが本音だった。 だが新エンジンの搭載で、そのネガがしっかりと払拭されていた。もっとも3.2リッターのV6が3.6リッターへと排気量を拡大した上に直噴化されたのは、2代目トゥアレグでも同じだし、新顔のアウディQ7もそう。そして今回も、3.2リッター時代同様にトゥアレグよりわずかに上となる、290ps/39.3kg-mの性能が与えられた。ならばトゥアレグおよびQ7との関係性やポルシェとしての物足りなさは以前と変わらず? と考えられたのだが、新型のV6を実際に走らせてみると、改良前より確実に「ポルシェ」になっていると感じられた。その理由は次ページに。
Page1好調ポルシェの立役者が大幅改良
Page2一段と、ポルシェになった
Page3未来への準備も着々と
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