搭載する3.5リッターV6は、ハリアーやエスティマなどにも用いられる2GR-FE型。吸排気に連続可変バルブタイミング機構を採用し、ゆとりのパワーと10.2km/Lという燃費を両立した。280ps/35.1kg-mというスペックは、VW・ゴルフR32などの欧州ホットハッチを凌駕し、Cセグメントでは世界一。
試乗会当日は、台風9号が関東に最接近していて大荒れの空模様。湘南の海には強烈なウネリが押し寄せ、通行止めとなっていた西湘バイパスはその後、約1キロにわたって崩落してしまった。大排気量エンジンを積むブレイドマスターではあるが、そのキャラは荒々しいホットハッチというよりも、あくまでも上級志向のコンパクトハッチ。
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ショートプレミアムの延長線上にあるブレイド・マスター
ブレイドは、井上陽水の「Make-up Shadow」をBGMに“大人しくない大人に”というテーマを掲げ、ハッチバックに2.4リッターの直4エンジンを搭載するというかつてないゼイタクさで誕生した。こう書くと「VWのゴルフR32はもっと大きなエンジンを搭載している」といった声が聞こえてきそうだけれど、欧州のCセグメントに存在する大排気量エンジンを搭載したハッチバックは、いずれもパフォーマンス系モデル。ブレイドの場合はそうではなく、高級サルーンカーや上級ミニバンから乗り換えても満足できるショートプレミアムという位置づけがされていた。 実際に、ブレイドを購入した人の満足度はかなり高いという。とくに、ミニバンが必要なくなった世代や夫婦で余暇を過ごすような子離れ世代から支持を得ているそうだ。だからといって「もう小さいクルマでイイや」的な消極的な選択ではないハズ。ブレイド自体も、エンジンだけではなくエクステリアやインテリアの見栄えを向上させ、一般的なハッチバックとは一線を引ける上質感を実現していた。 そのブレイドに、さらにゼイタクな3.5リッターのV6エンジンを搭載するブレイド・マスターが追加された。ちなみに、ブレイドを扱うディーラーネットワークのトヨタ店やトヨペット店は、これまで直6エンジンを積むプログレをそろえていた。でも、この“小さなセルシオ”という異名さえあった高級サルーンカーは、誕生以来9年が経過していた為もありラインアップから外されてしまったのだ。ひょっとしたら「プログレのお客さんをフォローするためにブレイドの6気筒エンジン搭載モデルが必要だったのか……」と、勝手に深読みをした。けれどもそうではなかった。すでに、直4エンジンを積むブレイドに乗っている人からも「6気筒エンジン搭載モデルがあったらイイのに」といった声はあがっていなかったようだ。むしろ、マーケット・インではなくプロダクト・アウト的な発想(トヨタとしては珍しい)で、速いだけ、あるいは高級なだけというのではなく、かつてコンパクトカーに存在しなかった“大人しくない大人”の期待に応えるモデルの延長線上にブレイド・マスターを位置づけたわけだ。
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