もっともボルボらしいボルボ
いま、欧州製プレミアムセダンのエクステリアデザインは、個性的である事に力を注いでいるように見える。そんな中にあって、新型ボルボS80は異質だ。よくよく見れば、面構成やエッジの出し方は入念に吟味されているのだが、不用なキャラクターラインを省き、威圧感を消し、スッキリとした清潔感のある印象を与えてくる。それでいて、どこから見てもボルボらしいデザインに仕上がっている。ボルボはフラッグシップであるS80を“スカンジナビアン・ラグジュアリー”と呼び、「北欧流の思いやりのある、優しい、贅沢なライフスタイルの提供」をコンセプトに据えて開発したという。それをそのまま形にしたのが、このデザインというわけだ。 聞くところによると、いまアッパーミドルクラス・サルーンのユーザーの中には、派手さや強烈な個性を避け、シンプルで清潔感のあるデザインを求める人が増えている、という調査結果があるそうだ。つまり、エクステリアデザインで乗る人のキャラクターまでイメージさせるものを好む傾向が増えているのだという。ひらたく言ってしまえば、“さりげなく、品よく”ということなのだろう。 いざクルマに乗り込めば、心地よい空間が広がる。北欧家具に例えられるボルボのインテリアは、厚手の、それでいてしなやかな本革シートの抜群の座り心地はもとより、フリーフローティングセンタースタック、北欧の雪景色をモチーフにしたダッシュボードデザインなど、オリジナリティ溢れるデザインで落ち着いたムードを醸し出している。一見シンプルに過ぎるのではないか、と思えたS80だが、長崎で行なわれた試乗会で、走るほどにその味わいが広がってきた。
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