ボルボ流のSportとは?
薄手のジャケット1枚じゃまだツラいか…と、軽く後悔しつつ飛行機から降り立った5月の北海道・稚内。気温がまだ10度に達しないこの場所で今回試すのは、ボルボXC90に追加された“3.2 Sport”である。試乗会場となるホテルに近づいたタクシーの窓から、何気なくエントランスの方に目を向けると同時に、思わずツッコんでしまった。「赤かよッ!」 そう、我々を待っていたのは深紅のXC90。しかもそれが5台も居並ぶ様に、なぜか気持ちが揺さぶられてしまった。 かつての名車である240(特にワゴン)こそボルボ=赤のイメージがあるものの、目の前にあるのは巨体を誇るXC90である。ならば当然目に飛び込んでくる赤の面積も大きいわけで、圧倒されて思わず言葉を失った。ソリッドな暖色系をまとったSUVというのはまさに「予想外」という言葉が相応しい。そんな驚きの余韻を味わいつつも、すぐにこれまでのXC90とは異なるアピアランスを理解する。フロントグリルやウインドーフレームは専用のサテンシルバー、バンパーバーやサイドスカッフプレートは専用のシルバーカラー。そしてルーフレールもブラッシュアルミニウム仕上げ…と、ディテールは最近の光り物のトレンドである“半艶”を駆使。他に目に付くのはコーナリングに併せて左右最大15度の範囲で動く機能を備えたアクティブバイキセノンのヘッドライトや、専用のエグゾーストパイプ。そしてシンプルながら力強い印象を与える5本スポークの19インチアルミであるVulcanisに、255/50R19サイズのピレリPゼロ・ロッソを装着する。 一方インテリアではインパネに専用のアルミパネルを与えたほか、かつてのS60R/V70Rで用いた矢崎総業製のブルーのアルミニウムベゼル付きメーターパネルを採用。そしてシートはパイピングを施した専用の本革スポーツシートを奢っている。 これらが見た目における3.2 Sportの“Sport”たる所以なのだが、感じた印象を正確に記すなら、Sportと呼ぶより“Active”という表現の方が相応しいように思えた。身体がゾクッと震える。さっきより確実に気温は下がっている。だから早速乗り込んで、ノサップ岬経由で日本海沿岸に20数kmにおよぶ海岸線を目指す。果たしてボルボ流のSportとは、どのような味付けなのか? そんなことを考えつつアクセルを踏み込んだ。
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