ヨーロッパで今、もっとも熱いカテゴリーがコンパクトSUVである。日本車が火をつけ、韓国車が追従したこのカテゴリーに、ここに来てようやく地元ヨーロッパ勢が本腰を入れ始めたのだ。とくにプレミアムブランドに関しては、これまではBMW・X3の独り勝ちと言える状況が続いていたのだが、昨年末にVWがティグアンを、今年に入ってメルセデス・ベンツがGLKを、そしてアウディがこのQ5を相次いで発表。遂に役者が揃ったのである。
とくにこのQ5は、X3を相当強く意識して開発されたようだ。開発陣は誰もが、あらゆる項目でX3を凌駕したと胸を張る。では実際どうだったかと言えば、確かに居住性やユーティリティ性も優れているし、動力性能においてほぼ同等のX3 2.5iに対してQ5 2.0TFSIクワトロの方が明らかに優れた燃費をマークするなど、その言葉には偽りは無さそうである。もっともデザイン、あるいは走りのテイストは単純に優劣をつけられるものではないが。また一方で、3リッターの左ハンドル車のみの設定となりそうなメルセデスのGLKと比較した場合にも、ユーティリティ性や価格など多くの面で勝機はありそうだ。
そして何より重要なのは、A3あるいはA4からのアウディの中でのステップアップの対象としても、Q5は十分な魅力を有しているということである。率直に言って、現状ではA6はその受け皿となり切っておらず、それがユーザーを逃す要因となっているが、Q5は変化球ながら、その役割を果たせるかもしれない。アウディにとっても現アウディ・オーナーにとっても、そして輸入車全体のファンにとっても要注目のQ5、導入は来年中盤となりそうだ。