13代目を数えるクラウンの、走りを追求したアスリートと乗り心地の良さを吟味したロイヤルサルーン、その双璧を越えた上に君臨する最上級モデル。「クラウン・ハイブリッド」を簡単に説明すると、そういうことになる。そう聞いて、時代と共に”クラウンらしさ”も変わったんだなぁと思ったのは私だけではないはずだ。だって、トヨタを代表するセダンであるクラウンの、いわゆる「一番イイヤツ」がハイブリッドなんだから。
そもそも、クラウンにハイブリッドが登場したのは、先々代の11代目からだ。そのとき搭載された”マイルド・ハイブリッド”は、今のプリウスに積まれる「THS2」とはかなり違うシステム。平たく言えば、快適性を重視するクラウンの性格上、アイドルストップをしてエンジンを止めている間もエアコンを使い続けるためのハイブリッドだった。技術的には、当時、MIT(マサチューセッツ工科大)が提唱していた42Vという高圧系を世界で始めて採用した乗用車として注目されたが、スムーズさに感心はしても、感動する走りではなかった。当時は、スムーズネスが何より「クラウンらしさ」だったのだ。
ところが、だ。今回のクラウン・ハイブリッドは一味……どころか、かなり違う。驚くほど走りにふった先代ゼロクラウンを経て、さらに環境問題が騒がれる今、時代とともに「クラウンらしさ」が変わりつつあることを感じさせる出来だった。