夏頃、ティザーで画像が公開されたときの話題は、「2+」コンセプトが何を意味するか、だった。すぐに俯瞰図も公開されて、後席またはエクストラの荷室を備えることが判明する。カリフォルニアという名前や、エンジン・フード上のバルジを始めとするクラシカルなデザインは、1950年代の歴史的なモデルへのオマージュだが、メカニズムはまったくのブランニューであることも興味を誘った。直噴化されたV8ユニットをフロントミッドに積み、デュアルクラッチ式7速ギアボックスと組み合わせる。加えて、後輪に奢られたマルチリンク・サスペンション、ハードトップ・カブリオレやトランク・スルー・・・と何もかもが「フェラーリ初」だ。
そして、シチリアの太陽の下でカリフォルニアに再会して、本格的に恋に落ちた。それまでティザーで公開されていた写真より、パリサロンの人工的な光で照らし出された姿より、自然光の下の方がボディの抑揚がはっきりとしてグラマラスに見える。フロント・ミドシップとはいえ、後席のための空間とハードトップの収納スペースや荷室を確保した上で、美しいフォルムを与えたピニンファリーナ一門の仕事ぶりに拍手を送りたい。
室内に座っても、それまでの期待は決して裏切られない。イタリアン・メイドらしい滑らかな風合いのレザーがふんだんに奢られたインテリアはただ豪華なだけではなく、センターコンソールやステアリングホイール周辺の金属のパーツ類がスパイスとなって雰囲気を引き締めている。シートやフェイシアといったディテールへのこだわりも、このクルマの出自を感じさせる。