前編から続く…
走らせた瞬間から「ホンダらしい!」と思えるのは、そこにトヨタとは、プリウスとは、確実に“異なる”走りのフィーリングがあるからだ。走りのフィーリングを構成するものは様々にあるが、大きく分ければパワートレーンが生みだす動力性能から感じるものと、シャシーがもたらす運動性能から感じるものの2種類がある。そうして見た時、インサイトで特徴的なのは後者。つまりハンドリングに“らしさ”が宿っているわけだ。
ハイブリッドの先駆者であるプリウスは、優れた燃費性能と、動力性能から感じるフィーリングに特徴がある。その一方で、ハンドリングは決して優れているとはいえない。とくに現行型は初代に対してその辺りを改善したとはいえ、少なくとも走って楽しい! 気持ちいい! は感じられない。悪くいえば、ハイブリッドであることが第一義で、自動車としての本質的な部分は二の次という感じもある。
おそらくホンダはこの辺りを相当に意識したのではないか? インサイトを走らせると、ステアリングからしっかりとタイヤの感触が伝わり、ハンドリングは明らかに「自分で操っている!」という感覚が強い。普段使いでどこか曖昧なプリウスに比べて、軽快でカチッとした印象、つまり走りの良さや気持ち良さを予感させるものがあるのだ。僕は既にこの原稿を書いている時点で箱根ターンパイク、横浜〜逗子の往復、そして都内および首都高、さらにツインリンクもてぎの南コースなど、誰よりも様々な場所でインサイトを走らせた。そうして出てきた結論はやはり、冒頭の言葉に尽きるわけだ。