クアトロポルテやグラントゥーリズモなどの現行モデルを見る限り、「マセラティ」に対して、スポーツカーというよりは高級かつラグジュアリーなブランドイメージを抱くだろう。
だが、その歴史をひもとくと、マセラティはレーシングカーの製作会社として創設されている。マセラティ初のモデル「ティーポ26」は、1926年にタルガフローリオを制して鮮烈なデビューを飾り、その後も1937〜40年のタルガフローリオにおいて4年連続表彰台を独占。1939〜40年には8CTFでインディ500を連覇するなど、輝かしいレース戦歴をもつ。
もっとも、そんな昔まで遡るまでもなく、昨年のFIA GT1選手権ではMC12が5勝してシリーズチャンピオンに輝くなど、日本でこそ馴染みはないが、現在も積極的なレース活動を展開し速さを見せつけている。
さて、今回発表された「グラントゥーリズモMCストラダーレ」は、「グラントゥーリズモMC GT4」そしてワンメイクレース車両の「グラントゥーリズモMC トロフェオ」というレースカーのDNAを引き継いだモデルで、マセラティ史上、もっとも速く、もっとも軽く、もっともパワフルなモデルである。そして、マセラティとして初めて最高速度300km/hを超える301km/hを達成したモデルでもある。
フロントマスクはほぼそのままレースカーを踏襲しており、ネーミングにもマセラティのモータースポーツ部門「マセラティ コルセ(MC)」の名が冠されるなど、「グラントゥーリズモS」をベースとしながらも、似て非なる存在であることが一目瞭然である。もちろんルックスだけでなく、徹底的に空力性能の向上が図られるなど、機能的な意味でのデザイン変更となっている。