「やっぱりV8はいい。」
こんな時代にあっても改めてそう思わせるほどの魅力がある。しかしそれは搭載される“器”こそが、素晴らしい仕上がりだからに他ならない。優れたボディに搭載される大排気量エンジンだからこそ、芳醇でコクのある味わいが一層引き立ち、燃費に優れただけのエンジンやそこにモーターを加えて新たな感覚を生もうとするハイブリッドでは決して味わえないだろう豊かさやゆとりといったものが身体の芯に染み渡ってくる。
メルセデス・ベンツE550。ついに日本上陸を果たした新型Eクラスの、現時点でトップモデルからまず感じたのは、抗うことのできない人間の自然な欲求を存分に満たす贅沢な感覚だった。
スペイン・マドリッドで試してからわずか2ヶ月強という短い期間で日本上陸を果たした新型Eクラスを今回、北海道で試すことになった。思い返せば3月末、マドリッドで味わった新型Eクラスに僕はひと言、「やっぱりメルセデス」という大納得の賛辞を贈った。
なぜなら僕は先代のW211を自分で所有し、その後も進化を着実に観察し続けてきたわけだが、W211は当然のように当時のこのクラスにおける最高峰に輝いており、果たしてこれ以上の進化をどこに求めるのか? という疑問をマドリッドで触れる前に抱いていたからだ。しかしいつものようにそんな疑問は杞憂でしかないことを、またもや新型Eクラスに教えられたわけだ。だからこそ、「やっぱりメルセデス」なのである。