トヨタのノア/ヴォクシー、日産のセレナ、ホンダのステップワゴンと、国内トップ3メーカーが激しい販売合戦を繰り広げるミニバン市場。そんな超激戦区に独自の個性で挑んでいるのが三菱のデリカD:5だ。
D:5の独自性は2つある。ひとつはライバルたちが軒並み5ナンバーサイズであるのに対し、1795mmという余裕の全幅を確保していること。そしてもうひとつが、デリカの伝統である「SUV的なミニバン」というコンセプトをしっかりと継承してきたことだ。
SUV的なキャラクターは外観からも感じ取れるが、より明確な数値としてFFで190mm、4WDで210oという最低地上高に注目したい。一般的な乗用車でもミニバンでも、最低地上高の相場は150mm前後であり、200mmオーバーはSUVに限られる。それにどんな意味があるのか? と問われれば、回答は「日常的にはほとんど意味はない」となる。しかし、シーンによっては余裕の最低地上高が確実に意味を持つケースが出てくる。
たとえば自然の地形を最大限利用した秘境的キャンプ場での使い勝手。本当はもっとも奥まったところにある静かなサイトで自然を満喫したいのだが、一般的な乗用車では入り口付近の平坦な場所にしかたどり着けないこともある。突然のどか雪で除雪が間に合わない道路でも、最低地上高の大きさは頼もしい存在になる。
とにかく、4WDであっても腹がつかえてしまえば前には進めないわけで、最低地上高は駆動方式以上に悪路走破性に大きな影響を与えるのだ。最低地上高が135mmしかないセレナの4WDなどは、きちんと除雪された雪上を走るのに特化した4WDであり、D:5とは狙いがまったく異なる。