EVの流行は10年おきにやってくる」という定説がある。1970年代にはオイルショックでガソリンいらずのEVが脚光を浴び、1980年代にはカリフォルニアで排ガスを出さないクルマ、いわゆるZEV(ゼロエミッションビークル)構想が打ち上げられて、トヨタ・RAV-4 EV、ホンダ・EV-PLUS、GM・EV-1といったEVが続々と登場した。1990年にZEV法が成立すると、ハイブリッド車も含めてバッテリを積んでモーターで走るクルマが一世を風靡した。
そして今、再び、EVの流行がやってきた。しかも今回は、単なる流行では終わらない予感。バッテリー技術の発達でEVの弱点だった航続距離や重量増加といった問題が解決されつつあり、モーターの改良によって走行性能も格段に進歩しているからだ。地球環境問題への意識の高まりや、ガソリン価格の高騰もEVにとって追い風になっている。……と難しく書いてみたけれど、要は「最近のEVに乗ってみたら、驚くほどよく走って楽しい。その上、地球温暖化の原因であるCO2を出さないなんてステキ」というお話だ。
その“最近乗ったEV”とは、「三菱・i MiEV」だ。リアミドシップ+RWDの軽自動車「i」をベースに、エンジンとトランスミッションといった「パワートレイン」に代わって、モーター、充電機、インバーターといった「パワーエレクトロニクス」を積んでいる。さらに、床下にリチウムイオンバッテリーのパックを広く薄く敷くことで、ノーマルモデルと同じ室内空間を確保した。まるで「i」を開発したときに、EV化を前提で設計したのかと思うほど。
?「『i』を開発した段階でEV化を考えていたわけではないのですが、結果としてリアミドシップやロングホイールベースといった『i』の特徴がEV化にピッタリでした」とは、開発担当者の弁。しかもこれまでの常識では、EVでノーマルと同じ居住空間を持つだけでも驚きなのに、「i MiEV」はさらなる驚きが隠されていたのだ。