「GT-Rの真価は3年後。3年後を見てください。中古車の残存価格で7割、もちろん中身もきっちり熟成させますから」。デビュー約1年後のGT-R試乗会、チーフエンジニアの水野和敏さんは確かに私にそう言った。そして行われた今回の試乗会。予想以上の出来に驚くと同時に、過去の約束が敢行されたことに驚き、なにより変わらぬ教祖ぶりにシビれさせられた。
2012年モデルのポイントは明確だ。教祖・水野さん曰く「12モデルイヤーは、まずマルチパフォーマンス(スーパーカーとして)のDNAをきちんと“世界トップレベル”というところから“ダントツのレベル”に引き上げるというのがひとつのステップです」。
具体的にはエンジンのパワーアップだ。VR38DETT、3.8リッターV6ツインターボは、基本キャリーオーバーのまま、最高出力を20psアップの550ps、最大トルクを2kg-mアップの64.5kg-mに上げ、教祖曰く「低中速のレスポンス、5000rpm前後のレスポンスが凄くよくなっている〜(略)〜まして6000から7000rpmまでの高速のトルク感の伸びも凄くよくなってる」という。
結果、ドイツ・ニュルブルクリンク北コースでの最高速は280km/hから295km/hオーバーまで上がり、オマケに高速燃費まで向上。事実、10・15モード燃費だけでも8.5km/Lから8.6km/Lに上がり、これはスペックを考えると逆の現象だ。
さらになんといっても前代未聞の左右非対称サスペンションの採用だろう。要は2011年モデルから左右でスプリングのスペックはもちろん、車高まで違う。教祖曰く「こういうユニークなことをするのはGT-Rだけだと思いますけど」と前置きすると同時に「(そもそも)右と左を同じようにセットアップする必要はないし、同じに作る必要はない」とまで言い切った。
加えて今回3つめのトピックスはカスタマイズの可能性で「自分だけのGT-Rが欲しい」という人の為のSPECIALモデル、『TRACK PACK』を用意している。というわけでイントロは十分。まずはスポーツランド菅生と周辺の一般道的側道で行われたインプレッションをお届けしよう。