アメリカはコロラド州で行われるパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムというレースをご存知だろうか。その歴史はアメリカではインディカー・レースに次いで古く、1916年から始まっている。今年88回目を迎えたこの大会にはアメリカ国内のみならず海外からの参加者も含め4輪が57台、2輪が107台参加した。
ヒルクライムレースとはゴールまで誰が一番速く走れるのかを競うものなのだが、ここパイクスはスタート地点から目指すゴールは富士山よりも高い標高4301mの山の頂上。走行距離20kmのその間には舗装路とダートが混在し、コーナーが156箇所もあるがガードレールはほとんどない。頂上に行くにつれ空気は薄くなり、山の天気は変わりやすく不安定。単純無謀とも思えるこのレースは精神面では自分との戦い、そして自然を味方につけなければ勝つことも好タイムを叩き出すこともできない。ゆえに世界一過酷なヒルクライムレースとも言われている。
レースウイーク初日に車検を終えると翌日から3日間のテスト走行が始まる。テスト走行は20kmのコースを3セクションに分け、3グループに分けられた参加車両が3日間、分かれて行う。実際にフルコースを走れるのはレース当日のたった1回だけ。しかもここは一般有料道路ゆえに、テストは一般通行を開始するまでの早朝のみとなる。
小さな町で行われる伝統あるレースはレース当日のたった1本のアタックのためにほぼ1週間をかけて準備が行われる。