997型のポルシェ911シリーズがいよいよ最後のビッグマイナーチェンジをして登場した。レシピの中身は大きく分けて二つある。一つはポルシェのコアバリューであるフラット6のボクサーエンジンが直噴技術を採用したこと。今回は自然吸気のカレラ3.6リッターとカレラSの3.8リッターがデビューしたが、秋には待望のターボも直噴化する計画だ。そしてボクスターやケイマンに搭載される2.7リッターと3.4リッターも遅かれ早かれ直噴化されるはずだ。こうしてすでにカイエンで直噴化したV6とV8を合わせると、ポルシェはすべてガソリン直噴エンジンに統一されることになる。エコとパワーを両立できる技術として注目したい。
もう一つの技術はツインクラッチの元祖ポルシェが、ついにPDK(ポルシェ・デュペッル・クップリング)を市販したのだ。そのスムースで素早いシフトが「パフォーマンスと燃費」さらには「ドライビング・ミス」を無くすことができると期待される。直噴ボクサーエンジンとPDK、強烈なキラーコンテンツではないだろうか。
さて、その出来映えを含めた結論を述べると実際のドライブ・フィールではエンジンの進化は直感的には分かりにくいので、現行997オーナーは安心していていいだろう。だが燃費は10%近く向上している点は見逃せない。
それではPDKはどうか。量産ツインクラッチの先駆者であるVWのDSGと比べてダイレクト感に溢れるPDKのシフトフィールは、さすがスポーツカーに相応しいものだ。もちろん、トルコンATのティプトロからスイッチするユーザーも違和感なく快適に使える。胸のすく変速感を与えてくれるPDKからティプトロには、もう戻れそうもない。