「ボルボで北海道をドライブしませんか? 2日で500キロのロングドライブ企画です。」 そんな誘いがカービュー編集部から舞い込んだ。その時期は試乗会やら原稿書きやらでかなり立て込んでいたのだが、迷うことなくオファーを受けた。
ウニにイクラに蟹にホッケ…なんていろいろな海の幸が頭に浮かんだのは否定しない。否定はしないが、日本の雪道におけるボルボの実力を試すまたとないチャンスだと思ったのも、魅力を感じた理由のひとつだ。
僕はこれまで、ボルボが北欧で開催する雪上試乗会には何度か参加したことがある。マイナス25度という途方もない極低温下でのボルボは、まさに安心感の塊だ。いかに厳しい気候条件でも、乗り込んでドアを閉めた途端、得も言われぬ安心感が凍てついた心と体を優しく癒してくれる。
一歩間違えれば命取りとなる厳しい自然のなかでクルマに求められるのは、スピードでもなければ刺激でもない。乗員に極上のリラックスを提供しつつ、安全に、確実に、快適に、目的地へと送り届けることなのだ。クルマとは生まれた国の文化文明を映す鏡のような工業製品だが、ボルボとはまさに北欧の文化が生んだクルマと言っていい。
だが、当然ながら北海道と北欧は気候も違えば道路状況や速度域も違う。ましてや北欧ではスパイクタイヤの使用が許されている。果たしてボルボは北欧とは状況が大きく異なる北海道でも同じようなメリットを乗員に与えてくれるのだろうか。僕が興味を抱いたのはそこだ。