最近ちょっと元気が無い。ボルボに対して漠然とそんな風に思っている人は少なくないだろう。実際、かつての850から先代V70あたりの頃のような盛り上がりが今は無いのは事実である。
しかし、そのラインナップを見ると、今年に入ってからのボルボはかつてないほど積極的な攻勢で、その魅力をグッと増してきていることに気付く。ここでは先日プレス向けに行なわれた2010年モデルの試乗会でステアリングを握ったモデルを中心に、そんなボルボの今の充実ぶりについてお伝えしたいと思う。
まず真っ先に紹介したいのがV70ノルディックである。このV70の新たなエントリーグレードは、心臓として最高出力を203psから231psに高めた2.5リッターターボエンジンを積み、デュアルキセノンヘッドライト、16インチアルミホイール、運転席パワーシート、HDDナビなどを標準装備としながら449万円という価格を実現している。
現行V70と言えば登場当初は高価格モデルしか設定が無く、拡大されたボディサイズと相まってファンには遠い存在になったという感じを与えてしまった。しかしサイズはともかく価格の面では、すでに従来以上にリーズナブルになっている。例えば先代のベースグレードはNAエンジンで装備もほぼすっぴん状態だったにも関わらず454万円という正札を下げていたのだ。
もちろん安いだけではない。ボルボらしいゆったり感が前面に出た走りはゆっくり走らせても味がある。しかもかつてのようにダルなだけではなく、いざ攻め込んでみても思いのほか良く曲がって運転を楽しませてくれる。力強さも当然十分以上。速くも走れるが、それより余裕を活かしたクルージングが心地良い。
確かに日本の道ではサイズは大きく感じられるが、そのぶんスカンジナビアンテイストと謳うクリーンな雰囲気の室内は広々としていて荷室もドーンと大きい。考えてみれば、Cクラス、3シリーズ、A4などと較べても買い得な価格で、このゆとりが手に入ると考えれば、もし車庫の制限さえ無いのなら実は輸入ワゴン車イチの買い得感を得たと言ってもいいのではないだろうか。