ヨーロッパ製SUVといえば庶民にとっては高嶺の花、というのが今までの常識だった。1000万円を軽く超えてくるポルシェやAMGは論外としても、比較的手が届きやすいと言われているBMW・X3やVWトゥアレグでさえ500万円オーバーなのだ。
しかし、高嶺の花であればあるほど憧れは募るもの。切望感が高まったところにタイミングよく魅力的な商品を投入すれば、意外なヒット作に成長する確率が高くなる。VWの新型コンパクトSUVであるティグアンは、そんな可能性を感じる一台だ。
ティグアンの価格は360万円。ゴルフの上級グレードやパサートとほぼ同じ価格だけに、これなら手が届く! と感じる人は多いはず。しかも、なんちゃってSUVであるクロスゴルフとは違い、ルックスにしろメカニズムにしろ、ちゃんとSUVの体をなしている。そこそこ本格的でありながらお買い得なSUVがティグアンなのである。おそらくドイツでもこの種のSUVを待っていた人が多かったのだろう。ティグアンは発売後3週間で4万台もの受注を獲得し、一躍ドイツのベストセラーSUVになった。
ティグアンの登場に加え、今後はメルセデス・ベンツGLK、アウディQ5、ボルボXC60といったコンパクトクラスのヨーロッパ製SUVが続々と日本に入ってくる。これらのモデルが、販売不振に苦しむ日本の輸入車マーケットを活気づけるきっかけとなる可能性は大きいと僕は見ている。そのなかでも、ブランド知名度や価格競争力からみて中心モデルになるのは間違いなくティグアンだろう。