| 試乗レポート |
|
レポート:佐野弘宗
写真:曽宮岳大
取材協力:トヨタ自動車株式会社
|
|
【U スペック】
全長×全幅×全高=3750×1695×1540mm、ホイールベース=2460mm、車重=1110kg、駆動方式=4WD、エンジン=1.3リッター・DOHC(87ps/6000rpm、12.2kg-m/4400rpm)、トランスミッション=4速AT、価格=155万4千円 |
|
 |
 |
  |
 |
|
 |
トヨタのしたたかな世界戦略
|
|
現在の日本にコンパクトカーを根付かせた立役者は間違いなく、今から6年前、1999年初めに発売されたトヨタの初代ヴィッツだった。それまではコンパクトカーの本場たるヨーロッパで通用する国産コンパクトといえば日産・マーチくらいしかなかったが、初代ヴィッツの登場以降、兄弟車のファンカーゴ、ホンダ・フィット、マツダ・2代目デミオ、三菱・コルト、スズキ・2代目スイフト……と、ヨーロッパ市場攻略をにらみ、また客観的に見ても非常に完成度が高い国産コンパクトが次々と誕生した(そもそも、ヴィッツ自体がトヨタの欧州戦略の基礎となったのはご存知のかたも多いはず)。それだけではない。ヴィッツとそれに続くフィットが日本国内でコンパクトカーブームを巻き起こしたことで、日本のコンパクト市場は今や、とんでもなく分厚くて魅力的なマーケットとなっている。基本形となるハッチバックはもちろん、セダンやハイトワゴン、ミニバン、そして高級スペシャリティまで、ほとんどあらゆるボディ形態がそろい、またどのメーカーもベースとなるモデルが優秀だから、総じて魅力のあるクルマばかりである。
このように、6年ぶりにフルモデルチェンジとなった2代目ヴィッツは、国内にライバルが群雄割拠……という初代とはちょっと違った背景の中で開発された。とくにフィットの大ヒットはトヨタに大きな衝撃を与えたはずである。また、ヴィッツのもうひとつの戦場であるヨーロッパでも、VW・ポロやフォード・フィエスタといったドイツ車を筆頭にクオリティアップや商品性向上が目覚ましい。さらにいえば、旧東欧も含めたヨーロッパ全土のコンパクト市場を一手に引き受けようとした初代ヴィッツは、欧州のBセグメント(ポロやフィエスタ)とAセグメント(別名サブB、最近の例でいうとルポやパンダ)の中間サイズで、高級化とボディ拡大が著しい現在の欧州Bセグメントで勝負するには中途半端なポジションだったことも否定できない。新しいヴィッツが全長で11cmものサイズアップを果たしたのも、以上のような状況を考えれば自然なことだろう。
つまり、欧州でポロやフィエスタと真正面から競合して、国内ではフィットやデミオに匹敵する居住性や実用性を確保しなければならなかったわけだ。しかも、トヨタは用意周到にも、ヨーロッパではPSA(プジョーシトロエン)グループと共同開発のアイゴ、そして国内ではパッソというヴィッツの車格アップによる空白にすでにきちんと対応しているところがまたニクイ。
|
|
|
 |
|
|
 |
|
|
|
|