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カービュー マーケットウォッチ(2006年3月度)

 自動車総合サイト「carview.co.jp」を運営する株式会社カービュー(本社:東京都中央区、代表取締役:松本 基)は、社団法人 日本自動車販売協会連合会が公表する「月間登録台数ランキング」をもとに、日本国内における自動車マーケットの動きを独自分析する。

日産、マツダが厳しい状況に…

 今回は、日本自動車販売協会連合会(自販連)が発表した3月のデータから、軽自動車を除く国産乗用車マーケットの概況を紹介していこう。

 まず、全体では最量販期の3月だけあって44万3512台と前月比55.7%アップ。ただし昨年の3月と比べると、前年同月比97.3%となり昨年を下回っている。前年同月比のマイナスは9カ月連続で、景気回復が叫ばれるなか、ことクルマに関しての状況は厳しいと言わざるを得ないだろう。

 一方、メーカー別で好調なのがトヨタ。年明けからエスティマ、ラッシュ、カムリと矢継ぎ早にニューモデルを投入した効果が出て、前年同月比は103.6%。これで3カ月連続のプラスだ。ホンダも今年に入って伸び悩んでいたステップワゴンやエリシオンの売れ行きが復調し、前年同月比106.6%を記録。前月までのマイナス分を取り戻し、今年1~3月の累計でも前年を上回った。

逆に苦戦しているのが日産だ。昨年モデルチェンジしたウイングロード、セレナ、ブルーバードシルフィは快調に売れているのだが(Vol.2参照)、コンパクトカークラスのキューブ、ノート、ティーダや上級3列シートミニバンのエルグランドが軒並み前年同月比60%台と低迷し、日産全体では17.6%もの大幅なマイナスとなってしまった。平成16年9月から始まった新車大攻勢(ムラーノ、ティーダ、フーガ、ティーダラティオ、ラフェスタ、ノート)が功を奏し、昨年は年間トータルの前年比104.4%と2年ぶりにプラスとなった日産だったが、今年は厳しい戦いとなりそうだ。

また、マツダも当初の予定より発売日を前倒しにしてまで投入したMPVが3839台と伸び悩み、なんと昨年3月の4450台を下回る始末。マツダ全体では前年同月比85.5%と、こちらも2ケタのマイナスだ。3月20日から販売が始まったMPVターボの売れ行きに期待したいところだ。

ここも気になる その1

ステップワゴンvsセレナの結末はいかに?

 昨年5月26日にモデルチェンジしたホンダ ステップワゴン。5日後の31日にデビューした日産 セレナ。5ナンバーサイズの3列シートミニバンとして、まさにライバルといえる2台だ。ただし、ステップワゴンがホンダ得意の低床・低重心プラットフォーム(基本骨格)を採用し、旧型と同レベルの室内スペースを確保しながら全長を-45mm、全高を-75mmもコンパクトにしたのに対し、セレナは全長、全高ともサイズを拡大し、とことん3列シートの使い勝手とゆとりにこだわっている。それだけにお互いの売れ行きが注目された。

 結果、昨年6月から今年3月時点での累計販売台数は、ステップワゴン9万1581台、セレナ8万3252台。現時点ではステップワゴンがセレナを上回っている。ただ月間販売目標はステップワゴン8000台に対し、セレナは6000台。目標比でいえば、ステップワゴン114.5%、セレナ138.6%となり、日産にとってはセレナは上々の出来といえるはずだ。

 逆にホンダにとってはステップワゴンの売れ方に一抹の不安をもっているはず。というのも、昨年12月まではすべてセレナを上回り、6万6745台とセレナに1万1858台の差をつけていた。ところが今年に入って売れ行きが鈍化し、3月時点ではセレナに3529台負けているのだ。ホンダ車は、どちらかといえば、「先行逃げ切り」型。つまり、モデルチェンジ直後はよく売れるのだが、長続きしない傾向がある。例えば旧型のステップワゴン。平成13年にデビューし、その年、11万14台で年間ランキング5位。ところが、これ以降、14年は前年比64.7%、15年88.8%、16年73.9%と年々大きく数字を落としている。

 一方の日産車はといえば、「ロングセラー」型。旧型セレナにしても、先代の発売は平成11年でそもそも販売期間が長い。その売れ行きも11年 4万5177台、12年 6万4093台、13年 5万4221台と爆発的ヒットにはならなかったが、14年には前年比111.6%とプラスに転じ、その後も15年78.4%、16年86%とモデル末期としては、緩やかな下降線をたどった。

 ディーラーの拠点数など販売力に違いがあるのも事実だが、5ナンバーミニバンという売れ筋モデルに焦点を当ててみると、「新しもの好きのホンダ」、「実直な日産」とメーカーの個性が売れ行きにも現れているとの見方ができそうだ。

ここも気になる その2

ポルシェが単月で過去最高を記録

 伝説のスポーツカー、911をコアに独自のブランド戦略で世界展開を推し進めるポルシェ。日本では1998年にドイツ ポルシェAG100%出資のポルシェ ジャパンが営業を開始し、販売ネットワークが一気に強化された。

 同時に911に続く戦略モデルとして、ミッドシップスポーツのボクスターやスーパーSUV、カイエンを投入するなどラインナップを拡充。こうしたハード面、ソフト面それぞれが相乗効果となり、昨年は年間3572台と前年比18.9%アップを記録した。

 そして今年3月、単月としては過去最高となる537台を販売。これにより、今年1~3月の販売累計が1266台となり、中期目標である年間4000台達成というのも十分に視野に入ってきた。昨年の販売構成比はカイエン33.5%、911やボクスターを中心としたスポーツカーが66.5%。今年はこれにケイマンシリーズが加わり、さらにジュネーブショーで公開された911ターボと911GT3も投入される予定。まだまだ伸びしろが大きいポルシェの今後に要注目である。