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カービュー マーケットウォッチ(2007年4月度)

 自動車総合サイト「carview.co.jp」を運営する株式会社カービュー(本社:東京都中央区、代表取締役:松本 基)は、社団法人 日本自動車販売協会連合会が公表する「月間登録台数ランキング」をもとに、日本国内における自動車マーケットの動きを独自分析する。

3/5ナンバー国産乗用車は前年同月比87.5%と大幅減!

軽自動車は15カ月連続のプラスと依然として好調

 今回は、日本自動車販売協会連合会(自販連)、全国軽自動車協会連合会(全軽自協)、日本自動車輸入組合(JAIA)が発表した3月の販売データからマーケット概況をチェックしていこう。まず輸入車を含めた3/5ナンバー乗用車(軽自動車は除く)全体では42万586台で、前年同月比は87.6%と今年一番の大幅なマイナスとなった。これで21カ月連続で前年を下回り、3月末時点の前年同期比も89.5%と前月より1.8%悪化し、2ケタ減になってしまった。特に5ナンバーの小型乗用車は81.6%と大きく落ち込み、前月まで5カ月連続で前年を上回っていた3ナンバーの普通乗用車も97.3%と前年割れ。なかなか明るい兆しが見えてこない厳しい状況が続いている。

 輸入車を除く日本メーカーブランド国産乗用車は38万7262台で前年同月比87.5%。メーカーごとの合計ではスズキ以外は前年を下回り、しかも三菱の95.4%を除き、いずれも前年同月比は2ケタの大幅なマイナスを記録している。月間ランキングトップ10を見ると、6カ月連続トップの「トヨタ カローラ」と3カ月連続2位の「トヨタ ヴィッツ」以外は順位を入れ替えたものの、顔ぶれ自体は前月と変わっていない。ただカローラとヴィッツ、そして「トヨタ パッソ」は前年同月比、前年同期比ともプラスなのに対し、それ以外の7モデルはいずれの前年比もマイナスだ。その中でカローラは昨年10月にモデルチェンジし、パッソは昨年12月にマイナーチェンジしたばかりなので、前年を上回る売れ行きなのも不思議はないが、ヴィッツは現行型のデビューが2005年2月で、昨年6月に特別仕様車が出た程度と大きな改良は加えられていない。3年目となる今年の好調さは、やはり軽自動車人気につながる低価格志向の表れなのだろうか。その意味では2、3月と連続してトップ10入りした「日産 ティーダ」、「キューブ」、「ノート」の今後の売れ行きも要注目だ。

 次に軽自動車は27万9675台(貨物車含む)となり、前年同月比は101%。これで15カ月連続で前年を上回ったのはもちろん、月間販売台数の過去最高を記録した。特に乗用車が5.3%アップと絶好調。12.1%のマイナスとなった貨物車の不振をしっかりとカバーする結果となっている。メーカー別ではダイハツが8万6725台で4カ月連続のトップとなるとともにダイハツとして過去最高を記録。日産も2万4463台で過去最高となり、前年同月比116.8%、前年同期比120.5%と3/5ナンバー乗用車の不調を尻目に大きく数字を伸ばした。

 また輸入車は海外メーカー製乗用車が3万792台で前年同月比90.7%。日本メーカー製輸入車やスズキ製シボレーブランド車を含めると3万3324台、前年同月比88.5%と9カ月連続のマイナスとなった。メーカーブランド別乗用車ではVW(フォルクスワーゲン)が7666台で3カ月連続トップ、2位はBMW6490台(ミニを除く)、3位メルセデス・ベンツ6297台、4位アウディ1969台と相変わらずドイツ勢が上位を占めた。ただし前年同月比は100.2%だったBMW以外は、いずれも前年を下回っている。

ココも気になる! その1

注目の新感覚3列シートSUV、クロスロードは月間販売目標を上回れず!

 3月の3/5ナンバー国産乗用車月間ランキングトップ10内には、前月7位から3位にジャンプアップした「ホンダ フィット」を含む5車種のコンパクトカーがランクイン。マーケット全体が低調のなか、なんとかコンパクトカーは売れ行きをキープしている状況だ。ただフィットは今秋のモデルチェンジが噂されるだけに前年同期比は83%と下降線をたどっている。となると、今やホンダの主力モデルである「ステップワゴン」や「オデッセイ」などのミニバンクラスが奮起すべきところだが、ステップワゴンは8254台で前年同月比63.1%(前年同期比69%)、オデッセイも5081台で61.9%(同71.9%)と大きく前年を下回っている。ミニバンクラスでは昨年7月にモデルチェンジした「ストリーム」だけが月間販売目標5000台を上回る8254台と好調で、今年の3カ月平均でも約5900台ペースなのが注目されるぐらいだ。

 こうした状況下で登場したのがまったくの新型車種「クロスロード」だ。SUVとしてはコンパクトな印象を受ける全長約4.3mのボディに3列シートを実現。さらにスクエアなスタイルとユニークなウインドウ回りのデザインが個性的で、アンチミニバン派ユーザーを取り込めるかと思われたが、販売日数が短かった2月の1367台は別にしても、最量販期の3月も2453台と月間販売目標3000台をクリアできなかった。時折、従来の車種カテゴリーに入らないような提案型モデルで大ヒットを飛ばすホンダだけに、今後の売れ行きに期待したい。

ココも気になる! その2

昨年7年連続前年比プラスを逃したアウディは今年が正念場!

 昨年は年間で1万5018台となり、前年比97.4%に終わったアウディジャパン。2005年の年間販売台数が過去最高だったこともあるが、6年続いてきた前年比プラス成長は一端、途絶えることになった。昨年投入した「RS4」、「S6」、「S8」といったハイパフォーマンスモデルやモデルチェンジした「A6オールロードクワトロ」、「TTクーペ」などは好調だったものの、主力の「A4」が6066台で前年比89.5%、2004年10月に発売したスポーツバックが売れ行きを牽引し、アウディジャパン全体の3割を占めるほどに成長した「A3」も4830台と前年比101.3%の微増に終わったのが痛かったようだ。

 ただし世界市場ではアウディは絶好調で、前年比9.2%アップの90万5188台と11年連続で年間販売台数記録を更新。特にドイツではよく売れ、25万7792台(前年比104.3%)と7.6%のマーケットシェアを獲得した。またアウディにとっての3大輸出市場であるアメリカでは前年比8.5%アップの9万116台、イギリス8万6003台(前年比105.7%)、香港を含む中国8万1708台(前年比138.8%)となり、ドイツとアメリカでは過去最高となった。そんなアウディは今年4月にアウディジャパン社長をドミニク・ベッシュ氏に代え、販売体制を強化。同時にリリースした「Q7 3.6FSIクワトロ」に加え、6月に「TTロードスター」、秋頃にはフラッグシップスポーツカーの「R8」を投入する予定だ。とはいえ、3月末時点の前年同期比は91%。日本の純輸入乗用車市場は昨年前年比99.3%とマイナスに転じ、今年も3月末時点の前年同期比は92%と厳しい状況が続いているが、この中でアウディがどこまでシェアを伸ばせるか、一つの正念場といえそうだ。