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カービュー マーケットウォッチ(2007年5月度)

 自動車総合サイト「carview.co.jp」を運営する株式会社カービュー(本社:東京都中央区、代表取締役:松本 基)は、社団法人 日本自動車販売協会連合会が公表する「月間登録台数ランキング」をもとに、日本国内における自動車マーケットの動きを独自分析する。

国産乗用車、軽自動車、輸入車とも前年同月比がマイナス!

1~4月の累計もいずれも前年を下回る結果に

 今回は、日本自動車販売協会連合会(自販連)、全国軽自動車協会連合会(全軽自協)、日本自動車輸入組合(JAIA)が発表した4月の販売データからマーケット概況をチェックしていこう。まず輸入車を含めた3/5ナンバー乗用車(軽自動車は除く)全体では18万3837台で、前年同月比は91.4%と22カ月連続のマイナス。3ナンバーの普通乗用車は2カ月連続のマイナスで4%減と小幅だったものの、5ナンバーの小型乗用車は88.4%と振るわず、15カ月連続のマイナス(2ケタ減は11カ月連続)となった。輸入車を除く日本メーカーブランド国産乗用車は16万9406台で前年同月比は91.8%。メーカーごとの合計ではホンダと三菱以外は前年を下回り、特にトヨタは86.9%と3カ月連続で2ケタのマイナスだ。

 ところが月間ランキングベスト10では7カ月連続トップのカローラ(アクシオ、フィールダー、スパシオ、ランクスの合計)をはじめ、ヴィッツ、パッソ、エスティマ、クラウン(エステート含む)、プリウス、アルファードとトヨタの7モデルがランクインし、今年最多となっている。ただ前年同月比では2年目に入ったエスティマが50.2%と大きく落ち込み、3年目のヴィッツとクラウン、6年目のアルファードが91.2%、74.8%、76.1%とマイナス(ヴィッツのみ前年同期比が110.3%とプラス)。もちろん昨年モデルチェンジしたカローラが101.7%、パッソが129.5%、ガソリン高騰で人気を盛り返したプリウスが135.6%と好調だが、ベスト10内の主力モデルでさえ、前年を下回っているモデルが多いのがトヨタ伸び悩みの要因だろう。とはいえ今年はミニバン系ではノア/ヴォクシーとカローラスパシオ、コンパクト系ではイスト、さらには5ナンバーセダンのプレミオ/アリオンや上級SUVのランドクルーザー100系など売れ筋車種のモデルチェンジが目白押し。後半戦は期待できそうだ。

 次に前月まで15カ月連続で前年同月比プラスと絶好調だった軽自動車だが、今年に入ってニューモデルが出ていないこともあり、4月は13万9779台(貨物車含む)で前年同月比も93.6%とマイナスになった。メーカー別合計ではダイハツ、スバル、マツダは前年を上回ったが、他メーカーは前年割れ。ホンダと三菱は76%、78.1%と20%以上もの大幅なマイナスとなり、特に三菱は前年同期比も77.6%と落ち込んでいる。昨年秋にモデルチェンジしたeKワゴンも前年同月比96.5%、前年同期比93.5%と伸び悩み、三菱は全車種が前年比マイナスだ。また輸入車は海外メーカー製乗用車が1万3133台で前年同月比84%。日本メーカー製輸入車やスズキ製シボレーブランド車を含めても1万4431台で、前年同月比は86%と10カ月連続のマイナスとなった。メーカーブランド別乗用車ではVW(フォルクスワーゲン)が2535台で4カ月連続トップ、2位はBMW2746台(MINIを除く)、3位もメルセデス・ベンツ2384台でトップ3の順位は変動なし。ただし新型が発売され1010台を記録した4位MINIと836台で5位のアウディを含め、前年同月比はいずれもマイナス。海外でお披露目され、日本でも話題となっているメルセデス・ベンツCクラスのデビューまで、しばらくは苦戦が続きそうな気配だ。

ココも気になる! その1

マイナーチェンジで勢いを取り戻したキューブが日産を救う?

 3/5ナンバーの国産乗用車市場で2005年10月から18カ月連続で前年割れが続いている日産。2007年3月期連結決算では世界市場でのグローバル新車販売台数が前年同期比で2.4%減の348万3000台となり、5年ぶりのマイナスとなった。特に日本で12.1%減の74万台、アメリカでも4%減の103万5000台と低迷したのが大きく響いたようだ。そんな厳しい状況が続く日産だが、今年はトヨタに比べ、ニューモデルが半分以下と少なく、しかもそのニューモデルもクロスオーバーSUVの「デュアリス」と「エクストレイル」、先日のニューヨークショーで公開された「スカイラインクーペ」、そして待望の「GT-R」と注目度はそれなりに高いものの、台数が稼げそうな戦略モデルが見当たらないのだ。

 となると、マイナーチェンジや特別仕様車に期待するしかないのだが、その意味では「キューブ」の復調は一筋の光明といえるかもしれない。昨年12月に1.5リッターエンジン+CVTが改良され、燃費が大きく向上したのと同時に、エクステリアも一新。これで3カ月連続で前年同月比がプラスとなり、昨年は月平均約4750台だった売れ行きが今年は約6570台にアップ。前年同期比でも94.2%まで回復している。さらに5月には「ラフェスタ」をエクステリアを含めてマイナーチェンジし、ラインナップも整理された。カルロス・ゴーン社長就任以来、驚異的なV字復活を成し遂げた日産の本当の実力が試される時期にきているようだ。

ココも気になる! その2

高級車ブランドの雄、メルセデス・ベンツは我が道を行く!

 国内のクルマ販売全体が低迷するなか、軽自動車と500万円を超えるような高級車だけが伸びるという「2極分化」が明確になっている。2006年度(2006年4月~2007年3月)は軽自動車が4.2%のプラスで過去最高を記録し、500万円超の高級車も7%アップとなっているのだ。クルマ販売全体では4.1%のマイナスだっただけに、この2つのクラスは極めて好調に推移したといえるだろう。

 この高級車クラスを牽引しているのがメルセデス・ベンツだ。2006年の1年間では4万9681台で前年比108.4%。海外メーカーブランドではVWに次いで2位だったものの、輸入プレミアムセグメント(550万円以上の価格帯)ではトップを堅持している。昨年8月にクリーンディーゼルエンジン搭載モデルの「E320 CDI」を含めラインナップを一新した「Eクラス」の9639台をはじめ、一昨年にフルモデルチェンジした「Sクラス」が8078台と好調で、「Cクラス」の8042台や「Bクラス」の7189台を上回った。また高性能かつ高価格モデルのAMGも約1600台が売れるなど、価格の高さを感じさせない売れ行きなのがメルセデス・ベンツならではだ。

 そんなメルセデス・ベンツも今年は苦戦。4月も前年同月比73.7%と落ち込み、前年同期比も88.8%と前年を下回っている。ただし新型Cクラスの日本デビューを間近に控え、東京、名古屋、大阪などでは先行展示も始まっている。すでに海外試乗を終えたモータージャーナリストからは高い評価を受けている新型Cクラスだけに、販売面でどれだけ伸びるか注目されるところだ。