carview!

カービュー マーケットウォッチ(2007年8月度)

 自動車総合サイト「carview.co.jp」を運営する株式会社カービュー(本社:東京都中央区、代表取締役:松本 基)は、社団法人 日本自動車販売協会連合会が公表する「月間登録台数ランキング」をもとに、日本国内における自動車マーケットの動きを独自分析する。

25カ月連続前年同月比マイナスと出口の見えない国産乗用車

軽自動車も4カ月連続の前年割れで、プラスなのは輸入車のみ

 今回は、日本自動車販売協会連合会(自販連)、全国軽自動車協会連合会(全軽自協)、日本自動車輸入組合(JAIA)が発表した7月の販売データからマーケット概況をチェックしていこう。まず輸入車を含めた3/5ナンバー乗用車(軽自動車は除く)全体では24万4842台で、前年同月比は91.4%。これで25カ月連続のマイナスとなった。ナンバー別では3ナンバーの普通乗用車は11万675台で前年同月比105.8%と5カ月ぶりに前年を上回ったが、5ナンバーの小型乗用車は13万4167台で82.2%と18カ月連続のマイナス。2ケタの大幅減も14カ月連続と長期下落傾向が続いている。5ナンバーコンパクトカーのライバルとなる軽自動車も7月は11万3177台(乗用車のみ)で前年同月比88.1%と4カ月連続で前年を下回っている。やはり現状ではクルマ市場全体が冷え込んでいるといえそうだ。

 輸入車を除く国産乗用車は22万3460台で前年同月比は89.7%。メーカーごとの合計ではマツダと三菱以外は前年を下回っているが、日産、スズキ、ダイハツは前年同月比76.2%、89.2%、40.6%と2ケタの大幅なマイナスだ。ただスズキは1~7月計の前年同期比が102.1%とプラスだし、ダイハツは軽自動車市場ではナンバーワンの座を獲得しているが、日産は輸入車で集計される「デュアリス」(7月は3467台)を加えても前年同月比83.5%と落ち込んでいる。先日、「エクストレイル」がモデルチェンジされたが、その売れ行きに期待したいところだ。

 月間ランキングでは10カ月連続トップの「トヨタ カローラ(アクシオ、フィールダー、スパシオ、ランクスの合計)」をはじめ、2位「トヨタ ヴィッツ」、3位「ホンダ フィット」とトップ3は5カ月連続で同じ顔ぶれだが、6月27日にモデルチェンジした「トヨタ ヴォクシー」が前月24位から6位、「ノア」が前月35位から9位にジャンプアップ。7月5日にモデルチェンジした「マツダ デミオ」も5位と3カ月連続でトップ10入りを果たした。

 輸入車は、日本メーカー製輸入車として集計される「日産 デュアリス」が3467台と依然として好調で、全体では2万1382台(貨物車は除く)、前年同月比114.3%と3カ月連続で前年を上回った。しかし海外メーカー製のみでは1万6815台で前年同月比96.5%。前年同期比も91.5%と低調だが、単月ではマイナス幅が減少しているだけに今後が期待される。海外メーカーブランド別乗用車ランキングでは2カ月ぶりにVW(フォルクスワーゲン)がトップに返り咲き、2位BMW、3位メルセデス・ベンツ、4位ミニ、5位アウディ、6位プジョー、7位ボルボの順(月間販売台数500台以上)となった。BMWは「X5」、メルセデス・ベンツは「Cクラス」などのニューモデルが順調な滑り出しで前年同月比もプラスに転じたが、マイナスが続くVWも「ポロ」の特別仕様車や「ゴルフGT」系のフェイスリフトで対抗。今後の巻き返しに注目だ。

ココも気になる! その1

コンセプトから一新したデミオで不振脱却をねらうマツダ

 昨年、年間トータルの前年比が89.8%と3年連続のマイナスとなったマツダ。それまでの2年間は99.8%、99.9%とほぼ前年並みだったが、昨年は特に厳しい1年となってしまった。それでも今年は、昨年マイナーチェンジした「アクセラ」、「ベリーサ」、RHT(パワーリトラクタブルハードトップ)を追加した「ロードスター」が勢いを取り戻し、3モデルとも前年同期比がプラスとなっている。

 そんなマツダが基幹車種のひとつ、「デミオ」を7月5日にフルモデルチェンジ。これで2002年の「アテンザ」から始まったマツダのブランドメッセージZoom-Zoomが第二世代に切り替わっていくことになる。それだけに従来のスペースワゴン的なコンセプトから、パーソナルスマートコミューターとしての一大改革が行われ、スタイリッシュなコンパクトカーに生まれ変わった。旧型も根強い人気だっただけに出足が注目されたが、7月は実販売日数が少なかった新型だけで6440台と好スタート(新旧合わせると7087台)。新型の月間販売目標5000台を軽くクリアした。発売後1カ月の受注も1万5000台に達し、好調な売れ行きとなっている。受注ベースでは、13Cと省燃費仕様の13C-Vが全体の約6割となり、スポーティグレードのスポーツも販売計画以上に好調。また全グレードでCVT装着車が過半数を占めている。苦戦が続くコンパクトカークラスだけに、カンフル剤としてのデミオの伸びも要チェックだ。

ココも気になる! その2

7年連続輸入車ナンバーワン、VWの反撃に注目!

 昨年、前年比101.8%となる5万4384台を売り上げ、7年連続で輸入車ナンバーワンとなったVW。車種別でも「ゴルフ」が2万3621台で4年連続トップとなり2冠を制した。しかし今年に入って売れ行きが鈍り始め、7カ月連続で前年同月比がマイナス。前年同期比でも90.2%と低迷している。ただニューモデル投入には積極的で、ツインチャージャーTSIエンジンを搭載した「ゴルフGT TSI」をはじめ、「ゴルフトゥーラン」と「トゥアレグ」をマイナーチェンジ、さらに7月には「ゴルフヴァリアント」を発売。このほか8月にも「ポロ」の特別仕様車、ファインを投入したり、ゴルフGT TSIのフロントグリルを刷新するなど販売攻勢を強めている。

 またVW14番目のモデルシリーズとして、新型SUV「ティグアン」を9月に開催されるフランクフルトショーで世界初公開する。このティグアンはサイズ的にはトゥアレグより小さいが、クーペとSUVをクロスオーバーさせたようなスタイリッシュなエクステリアが特徴。エンジンは3種類のガソリン直噴ターボと2種類のディーゼルを用意。特にディーゼルは2009年の施行が予定されるユーロ5排ガス基準に適合するなど、次世代SUVとしての環境性能にも十分に配慮されている。正式なアナウンスはないものの、10月27日~11月11日に開かれる東京モーターショーにも出展される可能性が高い。今後のVWの車種展開を見極める意味でも要注目の一台になりそうだ。