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カービュー マーケットウォッチ(2007年9月度)

 自動車総合サイト「carview.co.jp」を運営する株式会社カービュー(本社:東京都中央区、代表取締役:松本 基)は、社団法人 日本自動車販売協会連合会が公表する「月間登録台数ランキング」をもとに、日本国内における自動車マーケットの動きを独自分析する。

“新車効果”で3/5ナンバー乗用車が26カ月ぶりに前年を上回る!

輸入車も4カ月連続のプラスだが、軽自動車は5カ月連続のマイナスに

 今回は、日本自動車販売協会連合会(自販連)、全国軽自動車協会連合会(全軽自協)、日本自動車輸入組合(JAIA)が発表した8月の販売データからマーケット概況をチェックしていこう。まず輸入車を含めた3/5ナンバー乗用車(軽自動車は除く)全体では19万465台で、前年同月比は100.8%と、26カ月ぶりに前年を上回った。ナンバー別では5ナンバーの小型乗用車は9万9916台で前年同月比86.6%と依然として19カ月連続のマイナスが続いているが、3ナンバーの普通乗用車が9万549台で前年同月比123.7%と2カ月連続のプラスとなり、全体を押し上げた。

 輸入車を除く国産乗用車は17万2555台で前年同月比は100%。僅か32台だが、ニューモデルが順調に売れたことで前年を上回る結果となった。メーカーごとの合計では「デリカD:5」が好調の三菱が5カ月連続のプラスのほか、トヨタが17カ月ぶりに前年同月比103.7%、スズキも2カ月ぶりに105.5%と前年を上回った。トヨタは5月に「レクサスLS600h」を投入した以降、6月「プレミオ/アリオン」と「ヴォクシー/ノア」、7月「イスト」、8月「ヴァンガード」と次々にニューモデルを投入。特にヴォクシー/ノアは絶好調で、月間ランキングも4、5位に順位を上げた。このほか11カ月連続トップの「トヨタ カローラ(アクシオ、フィールダー、スパシオ、ランクスの合計)」をはじめ、2位「トヨタ ヴィッツ」、3位「ホンダ フィット」とトップ3は6カ月連続で同じ顔ぶれに。7月5日にモデルチェンジした「マツダ デミオ」は7月6440台、8月4939台と発売後2カ月平均で月間販売目標5000台をクリアし、ランキング8位と4カ月連続のトップ10入りとなっている。

 軽自動車は8万7092台(乗用車のみ)で前年同月比92.1%と5カ月連続の前年割れ。メーカー合計ではスズキが13カ月ぶりに、日産は4カ月連続で前年同月比がプラスとなったが、9カ月連続で前年を上回っていたダイハツが96.1%、ホンダとスバルが67%、69.7%と大幅なマイナスとなり、全体の下落傾向を食い止められなかった。

 輸入車は、日本メーカー製輸入車として集計される「日産 デュアリス」が発売以来3カ月連続で月間販売目標2000台を上回る2492台と好調。この分が純増となり、全体で1万7910台(貨物車は除く)、前年同月比109.2%と4カ月連続で前年を上回った。ただ海外メーカー製のみでは1万4265台で前年同月比94.6%と依然として苦戦。2008年モデルが投入される9月以降の盛り返しが期待される。海外メーカーブランド別乗用車ランキングでは2カ月連続でVW(フォルクスワーゲン)がトップ、2位メルセデス・ベンツ、3位BMW、4位アウディ、5位ミニ、6位ボルボ、7位プジョーの順(月間販売台数500台以上)だが、VW、BMW、ミニは前年同月比がマイナスになるなど、メーカーによって勢いに差があるのが注目される。

ココも気になる! その1

デュアリス、エクストレイルの好スタートで日産が復調傾向に!

 99年に就任したカルロス・ゴーン社長主導の包括的な再建計画「日産リバイバルプラン」でV字回復を実現し、引き続き02年から始まった3カ年計画「日産180」で01年当時の全世界年間販売台数100万台増を達成した日産。国内販売でも04年9月から05年5月にかけて「ムラーノ」、「ティーダ(ラティオ)」、「フーガ」、「ラフェスタ」、「ノート」、「セレナ」と矢継ぎ早にニューモデルを投入し、05年は年間販売台数75万9727台で前年比102.2%と上昇気流に乗ったかに見えた。

 ところがその後の国内市場全体が伸び悩んだこともあり、昨年は前年比83.2%と低迷。月ごとの前年同月比でも23カ月連続でマイナスが続いている。とはいえ、今年は5月に発売したイギリス生産の「デュアリス」が好調な売れ行きで、8月はデュアリスの2492台を加えると、3万3665台で前年同月比105.7%と前年を上回っている。さらに8月22日にモデルチェンジした「エクストレイル」も前年同月比298.8%と好スタート。発売後1カ月の受注状況も1万140台と月間販売目標2000台の5倍超という好調な売れ行きになっている。

 このデュアリスとエクストレイル、ボディタイプで言えば、ともにミドルクラスのSUVだが、初期受注の売れ筋を見ると、しっかり売り分けられているのがわかる。例えばデュアリスはFFと4WDが53:47とFFが多いのに対し、エクストレイルは9.6:90.4と圧倒的に4WDが売れている。ユーザー年齢層でもデュアリスは50歳代が27%と一番多いのに対し、エクストレイルは30歳代が24.9%でトップ。この2台でミドルクラスSUVマーケットをがっちり押さえているのだ。そして東京モーターショーではいよいよ「GT-R」が世界初公開。今後の日産の躍進から目が離せそうにない。

ココも気になる! その2

3シリーズが好調に売れたBMWだが、M.ベンツの追撃をかわせるか?

 昨年の海外メーカーブランド別乗用車年間販売台数ランキングでは4万9014台で、VW、メルセデス・ベンツに次いで3位となったBMW。今年は一昨年モデルチェンジした「3シリーズセダン」に「クーペ」や「カブリオレ」が追加されたこともあり3シリーズ全体が好調だ。1~6月の車種別累計では3シリーズが1万2236台でトップをキープ。他車が伸び悩むなか、前年同期比も108.4%と前年を上回る売れ行きとなっている。

 ただBMW全体では8月は前年同月比78.7%、1~8月の前年同期比でも95.4%と前年を下回っている。これは海外メーカー製輸入車全体の傾向で、8月時点の累計でトップのVWも前年同期比は91%、3位M.ベンツも88.6%とマイナスなのだ。とはいえM.ベンツは売れ筋の「Cクラスセダン」を6月にモデルチェンジ。このため前年同月比は7月108.8%、8月103.3%と2カ月連続のプラスで、累計ではBMWに245台差まで迫っている。

 もちろんBMWも6月に「X5」をモデルチェンジし、「5シリーズセダン&ツーリング」をマイナーチェンジ。また8月には「M3」を6年ぶりにモデルチェンジし、3シリーズセダンの特別仕様車「323i M-Sport Limited Edition“Emotion”」を投入するなど、積極的な拡販施策をとっている。さらに秋にはヨーロッパで発売される「1シーリズ・クーペ」も意外と早い時期に日本に投入されるかもしれない。今年は全世界市場で1~8月の前年同期比106.7%となる81万1388台を販売するなど好調なBMWだけに、日本市場向けモデルの動向も要注目だ。