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カービュー マーケットウォッチ(2007年10月度)

 自動車総合サイト「carview.co.jp」を運営する株式会社カービュー(本社:東京都中央区、代表取締役:松本 基)は、社団法人 日本自動車販売協会連合会が公表する「月間登録台数ランキング」をもとに、日本国内における自動車マーケットの動きを独自分析する。

3ナンバー乗用車は好調だが、5ナンバー小型乗用車が大ブレーキ!

軽自動車も6カ月連続の前年割れで、輸入車のみが5カ月連続増に

 今回は、日本自動車販売協会連合会(自販連)、全国軽自動車協会連合会(全軽自協)、日本自動車輸入組合(JAIA)が発表した9月の販売データからマーケット概況をチェックしていこう。まず輸入車を含めた3/5ナンバー乗用車(軽自動車は除く)全体では28万5632台。前年同月比は95.1%で、前月の26カ月ぶりプラスから一転マイナスとなった。特に3ナンバーの普通乗用車は13万9680台で前年同月比122.4%と3カ月連続のプラスだが、5ナンバーの小型乗用車は14万5952台で78.4%と20カ月連続で前年を下回り、2ケタの大幅減も16カ月連続と下げ止まりの傾向すら見いだせない状況だ。ただ9月の月間ランキングでも2位となったロングセラーモデル「ホンダ フィット」が10月にモデルチェンジ。新型の前評判も高いだけに、全体を押し上げる起爆剤となるかもしれない。

 輸入車を除く国産乗用車は25万7301台で前年同月比は93.9%。こちらも前年割れとなってしまった。メーカーごとの合計では三菱が6カ月連続、トヨタ、スズキが2カ月連続で前年を上回ったが、日産、ホンダ、スバル、ダイハツが2ケタの大幅減。とくに日産は待望の「GT-R」が12月6日に発売となるものの、量販モデルのモデルチェンジや新型車の予定が来年中盤以降までないだけに、1~9月の前年同期比85.3%からどこまで挽回できるか注目される。月間ランキングでは12カ月連続トップの「トヨタ カローラ(アクシオ、フィールダー、スパシオ、ランクスの合計)」、2位「ホンダ フィット」、3位「トヨタ ヴィッツ」とトップ3の顔ぶれは変わらないが、「セレナ」が3ランクアップの4位、「ティーダ」も2ランクアップの8位と日産勢が健闘。とはいえ2車とも前年同月比は89.9%、83.1%と落ち込んでいるのが気がかりだ。

 軽自動車は13万361台(乗用車のみ)で前年同月比は94.6%と6カ月連続のマイナス。メーカー合計ではスズキ、ダイハツ、マツダ、日産は前年を上回っているが、ホンダ、三菱、スバルは77.9%、61.4%、80.5%と大幅減。各メーカーとも売れ行きを順調に伸ばした昨年と違って、メーカー間格差が表面化してきたようだ。

 輸入車はここ3カ月、「日産 デュアリス」など日本メーカー製輸入車の好調さで前年を上回っていたが、9月は海外メーカー製のみでも2万4701台で前年同月比101.3%、日本メーカー製を含めた全体では2万8331台で108.1%と5カ月連続で前年を上回った。海外メーカーブランド別乗用車ランキングではメルセデス・ベンツが1年ぶりにトップとなり、前年同月比も102.1%と好調。2位はBMW(MINIを除く)で、2カ月連続トップだったVW(フォルクスワーゲン)は3位に後退した。ただVWは前年同月比では106.7%とプラスとなっているので、今後はドイツ3大ブランドによって激しいトップ争いが展開されるはず。低調な国産乗用車を尻目にどこまで売れ行きを伸ばすか、しっかり見極めていきたいところだ。

ココも気になる! その1

ンエボXの投入で三菱の復調が盤石となるか?

 2004年には3/5ナンバー国産乗用車が前年比57.5%となる7万5444台、軽自動車も74.4%の16万9683台まで落ち込んだ三菱が確実に復調しつつある。そのきっかけは05年10月に派生車種を除くと03年5月のグランディス以来、29カ月ぶりのニューモデルとして投入された「アウトランダー」。3カ月で8461台と月間販売目標2000台を上回る売れ行きで、その年の三菱の3/5ナンバー国産乗用車合計も7万5651台となんとか前年を上回った。

 昨年は10月に「パジェロ」が7年ぶりにモデルチェンジ。月間販売目標700台の2倍近い売れ行きとなったが、アウトランダーが伸び悩み、3/5ナンバー国産乗用車合計では前年比94.3%にとどまったが、軽自動車は新型車種の「i(アイ)」やモデルチェンジした「eKワゴン」が好調に売れ、7年ぶりに114.5%と前年比がプラスに転じた。

 そして今年、1月に「デリカ D:5」を13年ぶりに一新。ライバルがひしめき合う3列シートミニバンの中でも個性的なスタイルや4WDモデルのSUV並みの走破性が受けて、9月時点で2万1903台(旧型を除く)、月平均約2430台で月間販売目標2300台を見事にクリアしている。さらに8月にはミドルセダンの「ギャラン フォルティス」を投入。価格設定がリーズナブルだったこともあり、2カ月平均で約1400台と月間販売目標1000台を上回っている。

 こうした着実なニューモデルの投入で三菱はメーカー合計の前年同月比が6カ月連続のプラスと好調。市場全体が苦戦するなか、今年の累計も104.2%とプラスで、ようやく低迷期を脱したようだ。そんな追い風に乗って、10月には三菱の高い技術力の象徴として、「ランサーエボリューションX」を発売。この勢いで三菱ブランドの完全復活となるか、要注目だ。

ココも気になる! その2

新型Cクラスが好調に売れて、メルセデス・ベンツが1年ぶりに月間トップ!

 海外メーカー製乗用車ブランドではVW、メルセデス・ベンツ、BMWのドイツ勢が3強を形成。昨年一年間ではVW5万4384台、メルセデス・ベンツ4万9681台、BMW(MINIを除く)4万9014台で、海外メーカー製乗用車24万3892台のうち、この3強で62.8%のシェアを占めるほど圧倒的な人気となっている。年間トップはコンパクトからミドルクラス中心のVWが7年連続で堅持しているが、輸入プレミアムセグメント(550万円以上の価格帯)でトップの販売数を誇るメルセデス・ベンツも堅調。前年比では昨年108.4%、一昨年104.8%と2年連続のプラスだ。

 今年前半は売れ筋のCクラスのモデルチェンを控え苦戦が続いていたが、新型「Cクラス」が日本デビューを果たした6月以降は一気に復調。7、8、9月と3カ月連続で前年を上回り、9月は1年ぶりに月間トップを奪取。前年同期比も一時は84.6%まで落ち込んでいたが、90.7%に盛り返した。注目のCクラスは7~9月の累計で4407台と前年の同期間に比べ230%と絶好調。この3カ月累計では「VW ゴルフ」6071台、「BMW 3シリーズ」4819台に次いで3位につけ、とくにBMW 3シリーズがこの3カ月累計で89.5%と前年を下回っているだけに、Cクラスの好調さが目立つ結果となっている。

 メルセデス・ベンツはJ.D.パワーアジアパシフィックの「2007年日本自動車セールス満足度調査」でも前回調査の9位から2位にアップ。新型Cクラスは自動車評論家たちからも高い評価を得ているが、こうした販売ディーラーのクオリティアップも見逃せない。このあたりに低迷が続く国産乗用車復調のカギが隠されているのかもしれない。