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カービュー マーケットウォッチ(2007年11月度)

 自動車総合サイト「carview.co.jp」を運営する株式会社カービュー(本社:東京都中央区、代表取締役:松本 基)は、社団法人 日本自動車販売協会連合会が公表する「月間登録台数ランキング」をもとに、日本国内における自動車マーケットの動きを独自分析する。

トヨタが大きく伸び、国産乗用車が2カ月ぶりに前年を上回る!

軽自動車は7カ月連続のマイナス、輸入車は6カ月連続のプラスに

 今回は、日本自動車販売協会連合会(自販連)、全国軽自動車協会連合会(全軽自協)、日本自動車輸入組合(JAIA)が発表した10月の販売データからマーケット概況をチェックしていこう。まず輸入車を含めた3/5ナンバー乗用車(軽自動車は除く)全体では23万4029台で、前年同月比は105.5%。5ナンバーの小型乗用車は12万2346台、前年同月比90.7%と21カ月連続のマイナスだが、3ナンバーの普通乗用車が11万1683台、前年同月比128.4%と4カ月連続でプラスとなったことで、全体でも2カ月ぶりに前年を上回った。特にトヨタは「ヴォクシー/ノア」、「プレミオ/アリオン」、「ヴァンガード」、「ランドクルーザー」、「マークX ジオ」、「カローラルミオン」と続いた新車攻勢が実を結び、メーカー計が3カ月連続のプラス。10月は前年同月比111.8%と2ケタの伸びとなり、乗用車全体を牽引する結果となった。

 輸入車を除く国産乗用車は21万5106台で前年同月比は104.8%。トヨタ以外でもマツダ111.4%、三菱121.1%と2ケタのプラスになり、全体を押し上げた。月間ランキングでは13カ月連続トップの「トヨタ カローラ(アクシオ、フィールダー、ルミオン、スパシオの合計)」、2位「トヨタ ヴィッツ」、3位「ホンダ フィット」とトップ3の顔ぶれに変化はないが、「トヨタ マークX」が9月に発売された「ジオ」が5118台と好調に売れ、セダンと合わせて7929台で4位にジャンプアップ。「トヨタ プリウス」も6062台で前月16位から7位にアップと好調をキープし、トヨタ勢がベスト10圏内に8モデルと大躍進だ。

 軽自動車は10万1857台(乗用車のみ)で前年同月比は92.2%と7カ月連続のマイナス。メーカー合計ではスズキは前年同月比100%(プラス14台)、ダイハツ104.4%、マツダ105.3%と前年を上回っているが、ホンダ79.1%、日産80.1%、三菱58.4%、スバル70.9%と大幅減。スズキ、ダイハツの2強と他メーカーの差は開くばかりだ。

 輸入車は「日産 デュアリス」など日本メーカー製輸入車(乗用車のみ3341台)はもちろん、海外メーカー製(同1万5582台)のみでも2カ月連続で前年を上回り、全体では1万8923台で113.9%と6カ月連続のプラスとなった。海外メーカーブランド別乗用車ランキングではVW(フォルクスワーゲン)が2カ月ぶりにトップ、2位はBMW(ミニを除く)で、前月トップだったメルセデス・ベンツは3位に後退した。相変わらずドイツ車御三家が圧倒的な強さだが、3ブランドとも1~10月の前年同期比は93%、96.3%、92%とマイナスが続いている。ここ2カ月の復調の波に乗り、どこまで挽回できるか注目していきたい。

ココも気になる! その1

新型フィットが発売後2週間で約2万台の受注!初代に続く大ヒットとなるか?

 ホンダは昨年、軽自動車の年間トータルは115%と前年を上回ったものの、国産乗用車は2年連続で前年割れ。それも前年比89.3%と2ケタのマイナスとなってしまった。「オデッセイ」の大ヒット以来、すっかりミニバンに軸足を置いたモデル構成となっているが、オデッセイが70.3%、「ステップワゴン」が85.3%と低調に終わり、ミニバン系では7月にモデルチェンジした「ストリーム」だけが前年を上回るという散々な結果だったのだ。

 そんなホンダの主力モデルとなったのが「フィット」だ。2001年6月に登場した初代は翌7月には1万6588台で月間ランキング2位。この年の1~6月累計ではトヨタ カローラ&ヴィッツが1、2位だったが、3、4、5、7位にストリーム、トヨタ エスティマ、ステップワゴン、オデッセイが並ぶ、まさに3列シートミニバン全盛期。さらにトヨタ イプサムがモデルチェンジ直後で月1万台以上も売れていただけに、フィットのスタートダッシュは目を見張るものがあった。結局、2001年は10万4298台で年間ランキング6位、そして翌2002年は25万790台でホンダ車として初めて年間ランキングトップに輝いた。その後も2003年18万2285台、2004年14万9503台、2005年12万5894台、2006年10万1793台と常に年間10万台以上売れるロングセラーモデルに成長。ヨーロッパやアメリカにも順次輸出され、世界累計で200万台以上も販売された。それだけに今回の2代目のスタイルはキープコンセプトとなったが、室内の使い勝手や走りは確実にバージョンアップ。受注も発売後2週間で約2万台と好調だ。

 なかでも10・15モード走行燃費24km/リッターを実現した「1.3G」が全体の41%と大人気。メーカーオプションではHDDナビ(リアカメラ付き)が34%とコンパクトカークラスでは装着率が高いのが特徴だ。月間販売目標は1万2000台と強気のフィット。どこまで数字を伸ばすか、今後も要チェックだ。

ココも気になる! その2

メーカーばかりでなく、インポーターの業務提携も本格化?

 1990年代後半から一気に進んだ自動車メーカーの提携。21世紀初頭には、GMグループ(GM、フィアット、サーブ、スズキ、スバル、いすゞ)、フォードグループ(フォード、ジャガー、アストンマーティン、ランドローバー、ボルボ、マツダ)、ダイムラー・クライスラーグループ(メルセデス・ベンツ、クライスラー、スマート、三菱)、VWグループ(VW、アウディ、ベントレー、ランボルギーニ)、BMWグループ(BMW、ミニ、ロールスロイス)、トヨタグループ(トヨタ、ダイハツ、日野)、ルノー/日産グループなどが出来上がった。

 ところがここ数年、特にアメリカビッグ3(GM、フォード、クライスラー)の販売不振により、破談話が表面化。GMグループではフィアット、スズキ、スバル、いすゞが資本提携を解消し、ダイムラー・クライスラーはついにはグループを解体(スマートのみ残ったが)。さらにはフォードもジャガー、ランドローバーの売却を表明する事態となっている。

 そうした中、10月にはダイムラーとフィアットが提携交渉を進めていることが報じられた。これはどうやら資本提携というより、共同開発や生産統合を目指す、いわゆる「足りないところを補い合う提携」になりそうだが、それだけ世界の自動車業界全体が厳しい状況にあるのだろう。

 国内のインポーター(輸入車ディーラー)も同様で、プジョー・ジャポンとシトロエン・ジャポンが業務統合を検討中との報道もあった。両社はフランスでは親(プジョー)子(シトロエン)関係(PSAグループ)を築いており、すでに日本でも新車整備センター(VPC)は1カ所に集約している。それを販売店は独自に展開するものの、部品供給や物流などのバックヤード業務を統合して、効率化目指すということらしい。プジョーは前年同期比82.5%、シトロエンも97.1%と伸び悩んでいるだけに、今後の動向は予断を許さない。