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カービュー マーケットウォッチ(2008年5月度)

 自動車総合サイト「carview.co.jp」を運営する株式会社カービュー(本社:東京都中央区、代表取締役:松本 基)は、社団法人 日本自動車販売協会連合会が公表する「月間登録台数ランキング」をもとに、日本国内における自動車マーケットの動きを独自分析する。

トヨタ、日産が2ケタの伸びで、国産乗用車全体がプラスに転じる!

輸入車も3カ月ぶりに前年を上回ったが、軽自動車は13カ月連続の前年割れ

 今回は、日本自動車販売協会連合会(自販連)、全国軽自動車協会連合会(全軽自協)、日本自動車輸入組合(JAIA)が発表した4月の販売データからマーケット概況をチェックしていこう。まず輸入車を含めた3/5ナンバー乗用車(軽自動車は除く)全体では20万1155台で、前月マイナスだった前年同月比は109.4%と前年を上回った。3ナンバーの普通乗用車は9万703台、前年同月比120.5%で10カ月連続のプラスと相変わらず好調な売れ行きだが、5ナンバーの小型乗用車も11万452台、前年同月比101.8%と3カ月ぶりのプラスになり、下落傾向を押しとどめた。

 輸入車を除く国産乗用車は18万6046台(日産デュアリスの輸入分102台含む)で前年同月比は109.6%。月間ランキングでは1、2位は「ホンダ フィット」、「トヨタ カローラ」で6カ月連続変動なしだが、2月にモデルチェンジした「ロイヤル/アスリート」が月間販売目標4700台の2倍近い9114台と売れた「クラウン」が3位にランクアップ。トヨタ勢はこのカローラ、クラウンのほか、4~9位に「ヴィッツ」、「ヴォクシー」、「プリウス」、「パッソ」、「ノア」、「エスティマ」が入り、トヨタ全体でも9万8909台で前年同月比112.4%と5カ月ぶりに前年を上回った。このほかホンダが3万727台で前年同月比105.8%、日産は2万8840台で113%、以下、マツダ1万386台で105.6%、スズキ6040台で109.9%、スバル4268台で105.5%と、三菱、ダイハツを除き前年を上回る結果となっている。

 商用車を含む軽自動車はメーカー合計でダイハツ、スズキの2強以外は前年同月比マイナスで、全体でも97.2%と13カ月連続の前年割れ。ただしマイナス幅は前月の7.5%から2.8%に減少している。

 また輸入乗用車は海外メーカー製が1万4437台で前年同月比111.3%と6カ月ぶりにプラスとなり、日本メーカー製(デュアリス分含む)輸入車が774台で74%と落ち込んだが、全体では1万5211台で108.5%と3カ月ぶりにプラスとなった。海外メーカーブランド別乗用車ランキングはメルセデス・ベンツが昨年9月以来のトップ、2位はBMWで、今年に入って3カ月連続トップだったVW(フォルクスワーゲン)は3位に後退した。

ココも気になる! その1

フォレスターが好調に売れ、4カ月連続で前年を上回ったスバルだが…

 スバルの3/5ナンバー乗用車は「インプレッサ」、「レガシィ」、「フォレスター」の3モデル体制のため、どうしてもモデルチェンジのない年は苦戦を免れない。ところが昨年は6月にインプレッサをモデルチェンジしたにもかかわらず、年間8万4828台で前年比91.2%と前年割れ。これで3年連続の前年比マイナスとなってしまった。

 しかし昨年末にモデルチェンジしたフォレスターは、1月こそ月間販売目標2000台そこそこの2111台だったが、2月3259台、3月5107台と右肩上がりの売れ行きとなり、4月も1555台と目標は下回ったが、前年同月比242.6%と好調さをキープ。スバル全体でも4カ月連続で前年を上回った。さらに5月に入って、レガシィをマイナーチェンジ。スバル初のプリクラッシュセーフティ機能・EyeSightを採用し、ツーリングワゴン/B4に2.5リッターNA、アウトバックに2.5リッターターボを設定するなどラインナップを強化。また6月17日に発表する“7シーターパノラマツーリング”をキーワードにした新型ミニバン「エクシーガ」のティザーキャンペーン(事前告知)を5月19日から展開し始めた。

 4月にトヨタ・ダイハツから小型乗用車や軽自動車のOEM(相手先ブランド)供給をはじめ、トヨタとの小型FRスポーツの共同開発などを発表し、新たなビジネスモデル構築に踏み出したスバル。目の前の販売促進策と中長期的な経営戦略がどうリンクしていくか…。利幅の少ない軽自動車はOEMに順次切り替えることで、4WDをはじめとするスポーティモデルに開発資源を集中し、生き残りをかけるスバルの今後に要注だ。

ココも気になる! その2

厳しい状況の輸入車市場で、存在感を増すメルセデス・ベンツ!

 昨年は4万6802台で前年比94.2%に終わり、輸入車ブランド年間ランキングでBMWに抜かれ3位にとどまったメルセデス・ベンツ。昨年6月に「Cクラスセダン」がモデルチェンジし、7月以降8840台で、前年の同期間で比べると239.8%と好調な売れ行きとなったが、前半の落ち込み分をカバーしきれなかった。今年も1~4月の前年同期比は93.6%と低調だが、4月は2814台で前年同月比118%と勢いを取り戻しつつある。4月に「Cクラスステーションワゴン」をモデルチェンジしたのに加え、5月には「SL/SLK/CLSクラス」をマイナーチェンジ。M.ベンツが優位に立つ550万円超のプレミアムセグメントをさらに強化したのも注目される。

 メルセデス・ベンツ日本のハンス・テンペル社長はSL/SLK/CLSクラスの発表会で、今後の日本の輸入車市場について「小型車と、ただの輸送手段ではないDNAをもつクルマという二極化が進む」と、M.ベンツの販売展開に自信を示した。というのも、日本の輸入車市場は2002年に25万6528台(海外メーカー製乗用車のみ)を記録した以降、2005年を除き前年比がマイナスとなり、昨年は23万78台まで落ち込んでいるが、M.ベンツは2002年4万7752台、2003年4万5341台、2004年4万3743台、2005年4万5852台、2006年4万9681台、2007年4万6802台と安定した売れ行きをキープ。まさに「ただの輸送手段ではないDNAをもつクルマ」として、確固たる人気を堅持しているというわけだ。

 セダン、ツーリング(ワゴン)、クーぺというラインアップを持つライバルの「BMW 3シリーズ」に対して、やっとセダン/ステーションワゴンが揃ったCクラスと、得意のプレミアムセグメントで勝負をかけるM.ベンツが今年はどこまで数字を伸ばすことができるのか、しっかりチェックしていきたい。