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カービュー マーケットウォッチ(2008年8月度)

 自動車総合サイト「carview.co.jp」を運営する株式会社カービュー(本社:東京都中央区、代表取締役:松本 基)は、社団法人 日本自動車販売協会連合会が公表する「月間登録台数ランキング」をもとに、日本国内における自動車マーケットの動きを独自分析する。

国産乗用車が前年同月比111.5%と3カ月ぶりに前年を上回る!

軽自動車も16カ月ぶりのプラスだが、輸入車は3カ月連続大幅減

 今回は、日本自動車販売協会連合会(自販連)、全国軽自動車協会連合会(全軽自協)、日本自動車輸入組合(JAIA)が発表した7月の販売データからマーケット概況をチェックしていこう。まず輸入車を含めた3/5ナンバー乗用車(軽自動車は除く)全体では26万7724台で、前年同月比109.3%と3カ月ぶりに前年を上回った。3ナンバー乗用車が11万7940台で前年同月比111.7%と13カ月連続のプラスだったのに加え、2カ月連続で前年割れだった5ナンバー乗用車が14万9784台で107.5%とプラスに転じたのが好結果に結びついた。

 輸入車と軽自動車を除く国産乗用車は25万2982台(日産デュアリスの輸入分54台含む)で前年同月比は111.5%の2ケタのプラス。ただ昨年は柏崎刈羽原子力発電所で火災が発生するなど大きな被害をもたらした新潟県中越沖地震の影響で生産台数が伸びず、供給が低下したことによって売れ行きが落ち込んでいたのも事実。このままクルマ販売が上向きになるのか、しばらくは動向を見守る必要がありそうだ。

 国産乗用車の月間ランキングでは1、2位の「ホンダ フィット」、「トヨタ カローラ」は9カ月連続、3位「トヨタ ヴィッツ」も3カ月連続で同ポジションをキープ。4位には前月10位から「ホンダ フリード」がジャンプアップしてきた。逆に「トヨタ クラウン」は10位にランクダウンしたが、2月にモデルチェンジした「ロイヤル/アスリート」シリーズの買い換え需要が一巡したといったところだろう。メーカーごとの合計では三菱、ダイハツ以外は前年を上回り、とくにホンダ、マツダは前年同月比130.2%、113.8%と2ケタのプラスになっている。

 商用車を含む軽自動車は全体で15万2026台と前月より販売台数自体は減少したものの、前年同月比100.1%と16カ月ぶりに前年を上回った。特にダイハツ、マツダの乗用車部門が好調で、全体を押し上げた。

 また輸入乗用車は海外メーカー製が1万4125台で前年同月比84%と大幅減。日本メーカー製(デュアリス分含む)輸入車も671台で14.7%と落ち込み、全体では1万4796台で69.2%に終わった。海外メーカーブランド別乗用車ランキングはVW(フォルクスワーゲン)がトップに返り咲き、メルセデス・ベンツが2位、前月トップだったBMWが3位に後退。ただ前年同月比100.2%の4位アウディ、156.3%の6位ポルシェ以外、上位陣は軒並み2ケタのマイナスと低調だ。

ココも気になる! その1

ビアンテが月間販売目標3000台を上回る好発進!

 軽自動車を除く国産乗用車の年間販売台数が4年連続で前年を下回り、売れ行きが伸び悩んでいたマツダ。今年は1月に「アテンザ」をフルモデルチェンジし、「MPV」の内外装を変更するとともに自然吸気エンジンのFFモデルに5速ATを標準装備するなどマイナーチェンジ。さらに3月には「RX-8」のマイナーチェンジで、よりスポーティなRSを追加し、5月には7月発売予定のトールタイプミニバン「ビアンテ」のティザーキャンペーンを開始するなど積極策に打って出た。そして7月8日にビアンテの販売を開始。ティザーキャンペーン効果もあり、販売日数が少なかったにもかかわらず、月間販売目標3000台を上回る3860台と好スタートとなった。

 マツダは2002年の初代アテンザ投入時から新ブランド戦略として“Zoom-Zoom”を展開。躍動的なデザインと走りの良さを前面に打ち出したクルマ作りを推進し、ミニバンのMPVや「プレマシー」においても全高を低めに設定し、スポーティな走りをアピールしてきた。しかし販売的には今一つの結果が続き、ミニバンらしい広さと快適な居住性にこだわったビアンテを投入したというわけだ。

 このビアンテの好調さにアテンザの新車効果が加わり、7月はマツダの国産乗車合計が前年同月比113.8%と2ケタのプラス。1~7月の前年同期比も101.1%とプラスに転じた。“Zoom-Zoom”第二世代のトップとして昨年7月にモデルチェンジした「デミオ」も前年同月比こそ89.8%と落ち込んだが、月間販売目標5000台は依然としてクリア。2008年世界カー・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど海外市場を含めて順調に売れているだけに、今後のマツダの復調に期待大だ。

ココも気になる! その2

低調な輸入車市場で奮闘するアウディがどこまで伸長するか?

 国産乗用車、軽自動車ともに前年を上回り、とりあえず復調の兆しを見せるなか、輸入車市場は前年同月比69.2%、前年同期比86.4%と大きく落ち込んでいる。そんな厳しい環境下でも、アウディは7月971台で前年同月比100.2%、1~7月累計も8856台で前年同期比104%と好調な売れ行きをキープしている。これまで好調だった「A3スポーツバック」や「TTクーペ」に加え、今年は2月に「A5」をデビューさせ、3月には主力モデルの「A4」をモデルチェンジ。さらに8月には「A4アバント」を投入するなど積極的な拡販施策が功を奏しているようだ。

 アウディは世界市場でも好調で、今年上半期は51万6000台超と史上最高の販売台数を記録。全体の前年同期比は1.4%のプラスで、とくに中国(香港を含む)やアジア太平洋地域では20%前後もアップしている。アウディにとって初の年間販売台数100万台突破も余裕の射程内といった状況だ。

 今年後半はヨーロッパでA3をエクステリアを中心にマイナーチェンジし、4月の北京モーターショーで初公開された新世代SUV「Q5」を発売。さらに「A6」のマイナーチェンジも行う予定だ。日本の輸入車市場は新型車種をリリースしても、その反響がすぐには現れにくいのが通例だが、アウディはA4を上半期ランキングで昨年の13位から8位に押し上げるなど効率の良い販売戦略を実現。今後、日本導入が予定される「RS6アバント」やTTの高性能版となる「TTS」を含め、積極的な新車攻勢からも目が離せそうにない。