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カービュー マーケットウォッチ(2008年9月度)

 自動車総合サイト「carview.co.jp」を運営する株式会社カービュー(本社:東京都中央区、代表取締役:松本 基)は、社団法人 日本自動車販売協会連合会が公表する「月間登録台数ランキング」をもとに、日本国内における自動車マーケットの動きを独自分析する。

国産乗用車販売が前年同月比88.9%と2カ月ぶりに大幅なマイナス!

軽自動車も全体では前年を下回り、輸入車は4カ月連続で前年割れ

 今回は、日本自動車販売協会連合会(自販連)、全国軽自動車協会連合会(全軽自協)、日本自動車輸入組合(JAIA)が発表した8月の販売データからマーケット概況をチェックしていこう。まず輸入車を含めた3/5ナンバー乗用車(軽自動車は除く)全体では16万6153台で、前年同月比87.2%と2カ月ぶりに大きく前年を下回った。前月まで13カ月連続で前年同月比がプラスになっていた3ナンバー乗用車が7万265台で82%と落ち込み、前月はプラスに転じた5ナンバー乗用車も9万5888台で91.5%と前年割れになってしまった。

 輸入車と軽自動車を除く国産乗用車は15万5620台(日産デュアリスの輸入分37台含む)で前年同月比は88.9%。前月の11.5%増で103.3%まで回復した前年同期比も101.9%に落ち込んだ。メーカーごとの合計では、10カ月連続トップの「フィット」に続き、「フリード」も好調に売れているホンダが前年同月比118.2%と絶好調だが、「ビアンテ」の投入で101.8%と前年同月比を上回ったマツダと、104.7%で堅調なスズキを除き、他メーカーは前年割れ。とくにトヨタ、日産は前年同月比83.9%、79.4%と2ケタのマイナスになっている。

 国産乗用車の月間ランキングでは1~4位の「ホンダ フィット」、「トヨタ カローラ」、「トヨタ ヴィッツ」、「ホンダ フリード」は変動なし。「マツダ デミオ」や「スズキ スイフト」がトップ10内に返り咲いたのに加え、トヨタの新しい上級ミニバン「ヴェルファイア」が姉妹車の「アルファード」を大きく上回り、10位にランクアップ。今秋は大物のモデルチェンジや話題のニューモデルが控えているだけに、今後の動向も見逃せない。

 商用車を含む軽自動車は全体で11万6189台で前年同月比97.2%と前年を下回ったが、乗用車部門だけを見ると、8万9142台で102.4%と2カ月連続のプラス。軽乗用車も続々とニューモデルの登場が予定されているので、明るい兆しといえそうだ。

 その一方で、厳しい状況なのが輸入車。海外メーカー製輸入車は4カ月連続で2ケタのマイナスとなり、8月は1万207台で前年同月比71.6%。日本メーカー製輸入車は「日産 デュアリス」が国産化されたことで10.0%まで落ち込み、輸入乗用車全体では1万570台で41.0%減となった。海外メーカーブランド別乗用車ランキングはメルセデス・ベンツ、VW(フォルクスワーゲン)、BMW、アウディ、MINIの順だが、アウディ以外、前年同月比は2ケタのマイナスだ。

ココも気になる!その1

昨年レベルはキープするも、今一つ伸びを欠くトヨタ

 日野自動車、ダイハツ工業を含めたトヨタグループ全体では昨年、初の世界生産台数ナンバーワンに輝くなど好調さを堅持してきたが、アメリカ経済の減速と原油などの原材料高騰のあおりを受けペースダウン。7月末には2008年の世界販売計画を従来の985万台から950万台に下方修正すると発表した。

 トヨタ単体では国内販売で160万台から155万台、海外販売は724万台から695万台に引き下げられた。海外分ではアメリカ市場での20万台減が大きいのだが、国内分は5万台減とはいえ、昨年実績が159万台(レクサス、商用車含む)だったことを考えると、年半ばでマイナス成長の予測となったわけだ。

 そもそも国内の乗用車市場ではトヨタ(レクサスを除く)は3年連続で前年割れ。昨年も136万6243台で前年比94.3%だった。そこで昨年後半からニューモデル攻勢に出て、今年も2月に「クラウンロイヤル/アスリート/ハイブリッド」、5月に「アルファード/ヴェルファイア」を投入。さらに8月末までに特別仕様車、マイナーチェンジ車、追加車種など26モデルを発売した。

 これが功を奏し、1~8月の前年同期比は100.2%と昨年レベルとなっている。ただ新型車種のヴェルファイアは累計で1万7882台で目標比149.0%(月間販売目標3000台)と好調なものの、姉妹車のアルファードは前年同期比85.6%、同じ3ナンバーミニバンの「エスティマ」も78.7%と精彩を欠く。好調のヴェルファイア分が純増とならないのがつらいところだろう。10月には話題の「iQ」が発売となるが、カンフル剤となるか要注目だ。

ココも気になる! その2

アメリカ、日本では苦戦しているBMWだが、世界市場では堅調

 海外メーカー製輸入乗用車は8月までの累計で12万9252台、前年同期比88.3%と国産車市場よりも厳しい状況だ。市場をリードするドイツ車御三家、メルセデス・ベンツ、VW(フォルクスワーゲン)、BMWも前年同期比は88.1%、91.3%、82.3%とマイナスで推移している。

 BMWは今年2、3月に投入した「1シリーズクーペ/カブリオレ」が好調に売れ、6月には昨年12月以来の海外メーカーブランド別乗用車ランキングでトップに立ったが、主力の「3シリーズ」が1~6月の上半期は9394台で前年同期比76.8%と低迷したのが響いた(1シリーズは3645台で101.9%)。ただ3シリーズセダンは2005年に登場し、今年でデビュー丸3年。10月に開催されるパリサロンで、新しいエクステリアや新機構を採用した3シリーズが公開されることになっているだけに要注目だ。

 アメリカでも経済停滞の影響があって、日本同様に苦戦しているBMWだが、世界市場では堅調。今年上半期では2.4%増の63万7569台が販売され、最量販モデルは11万6919台の1シリーズだった。昨年モデルチェンジした「X5」も30.5%増の6万3352台と好調で、日本では6月24日に予約オーダーが始まった「X6」も6月末時点で6082台も売れている。このほか、ヨーロッパでは11月にも「7シリーズ」がフルモデルチェンジする予定だ。

 日本では今年6月に導入された世界統一規格の認定中古車プログラム「BMWプレミアムセレクション」など、販売施策にも独自性にこだわるBMW。今後の復調に期待したい。