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カービュー マーケットウォッチ(2009年5月)

 自動車総合サイト「carview.co.jp」を運営する株式会社カービュー(本社:東京都中央区、代表取締役:松本 基)は、社団法人 日本自動車販売協会連合会が公表する「月間登録台数ランキング」をもとに、日本国内における自動車マーケットの動きを独自分析する。

カービュー編集部の独自分析

エコカー減税が始まったものの売れ行きは浮上せず
国産乗用車、軽乗用車、輸入車とも26.8%、14.4%、31.8%減

今回は、日本自動車販売協会連合会(自販連)、全国軽自動車協会連合会(全軽自協)、日本自動車輸入組合(JAIA)が発表した4 月の販売データからマーケット概況をチェックしていこう。まず輸入車を含めた3/5 ナンバー乗用車(軽自動車除く)全体は14 万6478 台で、前年同月比72.8%と9 カ月連続のマイナス。前月より3.7%回復したが、7 カ月連続で2 ケタの大幅減となった。ナンバー別では3 ナンバー車が5 万7714 台で前年同月比63.6%、5 ナンバー車は8 万8764 台で80.4%。バンやトラックなどの貨物車や軽自動車を含めた新車販売全体でも28 万4035 台で、前年同月比は77.0%にとどまった。4 月からエコカー減税(一定以上の「排出ガス低減レベル」と「燃費基準」を満たしたクルマの自動車税、自動車重量税、自動車取得税を減税)が始まったが、市場全体を浮上させるような効果は、まだ見られず…といったところだ。輸入車と軽自動車を除く国産乗用車は13 万6112 台(日産デュアリスの輸入分5 台含む)で前年同月比は73.2%。メーカーごとの合計では、「インサイト」が1 万481 台と前月の1.5 倍以上も売れたホンダが前年同月比104.9%、「ブーンルミナス」が好調のダイハツも123.4%とプラスに転じたが、トヨタの67.5%をはじめ、日産60.1%、マツダ60.4%など他メーカーは大きく前年を下回った。国産乗用車の月間ランキングではインサイトがハイブリッドカーとして初めてトップに立ち、「フィット」が2 位とホンダ車が自販連の統計史上初の1、2 位独占を達成。前月4 台がトップ10 入りした日産が圏外に後退し、4 月にモデルチェンジした「トヨタ ウィッシュ」が5 位に食い込むなど、上位グループの順位が大きく変動している。軽自動車は全体では11 万7670 台で前年同月比86.6%、乗用車部門も8 万9585 台で85.6%と振るわず、5 カ月連続(全体では6 カ月連続)のマイナス。輸入車(乗用車のみ)は日本メーカー製を含む全体では1 万371 台で前年同月68.2%、海外メーカー製のみでは1 万4437台で66.7%と、ともに12 カ月連続のマイナスだ。海外メーカーブランド別乗用車ランキングはVW(フォルクスワーゲン)が7 カ月連続トップで、2 位にはBMW(MINI を除く)がランクアップ、メルセデス・ベンツは3 位に後退した。

ココも気になる! その1

好調インサイトは本命登場前の「1 カ月天下」?

ハイブリッドカーとしてはリーズナブルな189 万円~という価格設定が大きな話題となった「ホンダ インサイト」が初の月間ランキングトップとなった。発売月の2 月が4906 台、3 月は4088 台だったが、4 月はエコカー減税も追い風となり、1 万481 台と月間販売目標5000 台の2 倍強の売れ行きとなった。これまでは「トヨタ プリウス」の3 位がハイブリッドカーとしての最高位だったから、ホンダの「とにかくハイブリッドカーを広めたい」という狙いは現時点では成功しているといえそうだ。しかもインサイトが呼び水になってホンダディーラーへの来店者が増え、「フィット」が9443 台で月間ランキング2 位、「フリード」も4591 台で同7 位と堅調。軽自動車を除いたホンダの国産乗用車合計も3 万2218 台で前年を上回る好結果となっている。ただ、ハイブリッドカーの本命、プリウスのニューモデルが5 月18 日に発表される。それ
もインサイト人気に脅威を感じたトヨタはかつてない情報戦を仕掛け、新型プリウスの最低価格を205 万円とすることを早々にメディアにリークし、ディーラー(新型は従来のトヨタ店、トヨペット店に加え、カローラ店、ネッツ店でも販売)でも早期予約を積極的に展開。すでに6 万台超の受注を獲得したとも言われている。さらにトヨタは今年度のプリウスの生産規模を
約50 万台に増強。これは昨年のカローラの生産台数53 万6000 台に匹敵するレベルで、当面、月間1 万台超の売れ行きは確実だろう。インサイトの累計受注も3 万台を超えているが、ホンダが新型プリウス対策としてどんな手を打ってくるか、注目したい。

ココも気になる! その2

BMWの専売店ネットワークならではのサービスにも注目

昨年は海外メーカー製輸入車のみが19 万2317 台で、前年比83.6%と低調だった純輸入車市場。2009 年も2 年連続で20 万台割れが予測されるなか、積極的にニューモデルを投入しているのがBMW だ。3 月にフラッグシップの「7 シリーズ」をモデルチェンジ。4 月には新しい「Z4」とグループ傘下の「MINI」にコンバーチブルを投入した。BMW は、かつてはイギリスのローバーグループの一員だったMINI を買収し、日本では2001年からMINI を単独ブランドとして展開。このため日本自動車輸入組合(JAIA)の統計上はBMWとBMW・MINI の2 ブランドで集計されるが、母体はビー・エム・ダブリュー株式会社(通称:BMW グループジャパン。ドイツのBMW AG100%出資子会社)と同じである。ちなみに、超高級車ブランドのロールス・ロイスもグループ傘下のブランドで、昨年の世界市場での実績はBMW120 万2239 台(前年比94.2%)、MINI23 万2425 台(同104.3%)、ロールス・ロイス1212 台(同120%)。日本ではBMW3 万5945 台(同76.3%)、MINI1 万2744 台(同90.9%)、ロールス・ロイス33 台(同57.9%)だった。そんなBMW グループの日本での強みは、いち早く構築したBMW とMINI の専売店ネットワーク。店舗の統一デザインから低金利ローン、認定中古車制度など、今では日本の輸入車業
界の標準となる施策を積極的に打ってこれたのも専売店ネットワークがあればこそ。今年も5月31 日まで「1 シリーズ」購入者に高速道路通行料金10 万円分プレゼントキャンペーンをはじめ、MINI では6 月30 日まで新車購入サポートプログラム(車齢13 年超の乗用車からの買い換え時25 万円、車齢13 年未満または新規購入時10 万円を補助)を実施中だ。新型7 シリ
ーズやZ4、MINI コンバーチブルの出来も要チェックだが、こうしたBMW グループジャパンならではの販売施策も見逃せない。