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カービュー マーケットウォッチ(2009年8月)

 自動車総合サイト「carview.co.jp」を運営する株式会社カービュー(本社:東京都中央区、 代表取締役:松本 基)は、社団法人 日本自動車販売協会連合会が公表する「月間登録台 数ランキング」をもとに、日本国内における自動車マーケットの動きを独自分析する。

カービュー編集部の独自分析

軽を除く国産乗用車が 1 年ぶりに前年同月比がプラス!

軽乗用車はマイナスがひとケタ台に、輸入車も下落率が縮小

 今回は、日本自動車販売協会連合会(自販連)、全国軽自動車協会連合会(全軽自協)、日 本自動車輸入組合(JAIA)が発表した 7 月の販売データからマーケット概況をチェックしてい こう。まず輸入車、軽乗用車を含め、国内で販売された乗用車全体では 37 万 2430 台で、前年 同月比は 97.2%。マイナスになったのは 12 カ月連続だが、下落率は 9 カ月ぶりにひとケタ台 となり、4 カ月連続で減少。エコカー減税と新車購入補助金制度が下落傾向を押しとどめた形 だ。特に 3 ナンバーの普通乗用車は 11 万 8539 台で、前年同月比は 100.5%と 1 年ぶりのプラ スに。5 ナンバーの小型乗用車も 14 万 7634 台で 98.6%とほぼ前年並みの売れ行きになってい る。

 輸入車と軽自動車を除く 3/5 ナンバーの国産乗用車は 25 万 3289 台で前年同月比 100.1% (日産デュアリスの輸入分含む)と、台数にして 300 台前年を上回り、1 年ぶりのプラスとな った。メーカーごとの合計では、日産101.6%、ホンダ109.9%、スバル100.8%、レクサス106.0% と前年の販売台数を上回り、「プリウス」が 2 万 7712 台とダントツの 2 カ月連続乗用車 No.1 となったトヨタも前年の販売台数にあと 35 台までに回復するなど、はっきりと回復傾向を示 す結果となっている。日産では「セレナ」、「ノート」、「ティーダ」、「キューブ」、「エ クストレイル」、ホンダは「インサイト」のほか、「フィット」が前年を上回る売れ行きとな り、スバルでは 5 月にフルモデルチェンジした「レガシィ」が 5665 台で前年同月比 198.3%と 好調、レクサスは「HS250h」383 台、「RX450h」763 台と今年投入されたハイブリッドカー が人気を集めた。

 また軽乗用車は 10 万 6257 台で前年同月比 92.0%と 8 カ月連続の前年割れだが、下落率は 5 カ月ぶりにひとケタ台に回復。貨物車も廃車・代替え奨励金(スクラップ・インセンティブ) 効果で特に軽トラックが 16 カ月ぶりに前年を上回り、軽自動車全体では 14 万 1035 台で、前 年同月比 92.8%となった。

 その一方で輸入車(乗用車のみ)は、日本メーカー製を含む全体では 1 万 2891 台で前年同月比87.1%、海外メーカー製のみでも 1 万 2142 台で 86.0%と、下落率は前月より 2.8~4.1 ポ イント縮小したものの、依然としてふたケタのマイナスで、これで 15 カ月連続の前年割れ。 海外メーカーブランド別乗用車ランキングトップ 3 の VW、BMW、メルセデス・ベンツも前年 同月比 86.6%、81.7%、75.6%と厳しい状況が続いている。

ココも気になる! その1

アイドリングストップ機構搭載のアクセラがマツダの今後のカギを握る

 2 カ月連続で 2 万台以上を売り上げた「トヨタ プリウス」、月平均で 7777 台と月間販売目標5000台を軽く上回る「ホンダ インサイト」をはじめ、「レクサス HS250h」、「RX450h」 を含めた燃費性能に優れるハイブリッドカーが大人気。低迷していた国内市場の起爆剤となっ ている。まさにトヨタ、ホンダに先見の明があったわけだが、他メーカーも手をこまねいてい るわけではない。例えば燃費向上策の一つとして、新しいアイドリングストップ機構を採用し た「マツダ アクセラ」も好調に売れているのだ。

 フルモデルチェンジ直後の 6 月は 2713 台で前年同月比 217.0%、7 月も 3826 台で 252.5% と、ミディアムクラスの 5 ドアハッチバック&セダンとしては絶好調。発売後 1 カ月の受注も 7640 台と月間販売目標 2000 台の約 3.8 倍を記録し、7 月末時点では 9300 台と順調な滑り出 しとなっている。受注の内訳は、5 ドアハッチバックのスポーツが約 7 割、セダンが約 3割。アイドリングストップ機構 i-stop(アイストップ)搭載の 2 リッターモデルは全体の半分を占 め、燃費に対するユーザーの注目度がうかがえる。またアクセラは海外名マツダ 3 として、順 次海外市場に投入され、6 月に発売されたオーストラリアではマツダ 3 として過去最高の月間 販売台数を記録した。

 マツダ全体では 7 月単月で 1 万 5142 台と、前年同月比 88.6%、1~7 月の累計で 7 万 5335 台、前年同期比 70.9%と依然として苦戦しているだけに、受注が順調な国内はもちろん、輸出 が本格化するアクセラ(マツダ 3)の売れ行きは、今後のマツダを左右しそうな状況だ。

ココも気になる! その2

デザインコンシャスなイタリア車が輸入車を救う?

 国産乗用車市場は、一気に盛り上がったハイブリッドカー人気とエコカー減税などの支援策 により、なんとか一息つきそうな状況だが、輸入車市場はエコカー減税の対象車が日本独自の 燃費基準をもとに設定されていることもあり、下落傾向から抜け出せないでいる。常に輸入車 トップ 3 を形成してきた VW、BMW、メルセデス・ベンツでさえ、前年同期比76.8%、69.6%、 68.4%と大苦戦している。

 そんななか、前年を上回る売れ行きなのがフィアットだ。7 月単月では 487 台で、前年同月比218.4%、1~7 月の累計でも 2510 台で、前年同期比 175.3%と海外メーカーの中では群を 抜く売れ行きとなっている。この好調を支えているのは、もちろん「フィアット 500」。6月までの上半期のデータだが、フィアット全体の 71.7%がフィアット 500 なのだ。195 万円から というリーズナブルな価格設定や、ハイパフォーマンスモデルの「アバルト」など順次ライン ナップを拡充してきた販売戦略もさることながら、輸入車ファンだけでなく、見る人を引きつ けるキュートなデザインは、国産車にはない大きな魅力だ。

 このほか、アルファロメオも 7 月は 223 台で、前年同月比 119.9%と売れ行きを伸ばしてい る(累計では 1324 台、前年同期比 90.2%)。これも 5 月に販売開始されたベイビーアルファ こと、「ミト」が牽引していることは想像に難くない。このミトも、アルファロメオのブラン ド力やスポーティな走りに加え、個性豊かなスタイリングは魅力十分で、これが 6 速 MT 仕様 しかない難点も包み隠してくれる。こうしたフィアット 500、アルファロメオ ミトに共通する、 輸入車ならではのデザインの力こそ、輸入車復権のカギを握っているはずだ。